2020年9月16日追記
こちらの記事は、FX通貨ペア・豪ドルNZドル(aud/nzd・オージーキウイ)でトラリピ運用を行う場合の予算表です。
ご自身の余剰資金やリスク許容度に合わせてポジション量を調整しやすいよう、各価格帯でのポジション、評価損合計を一覧にしてあるので、過去最高値・最安値まで想定した安全運用を考えている方にお勧めの記事です。
マネースクエアの本家トラリピのほか、マネーパートナーズの連続予約注文でも同様の注文が可能です。
⇒豪ドルNZドル 連続予約注文のやり方(円換算の予算表あり)

FXはレバレッジを掛けた証拠金取引です。特定の手法を推奨するものではありません。
気になるところへ目次で飛んでください。
豪ドル・NZドルを選ぶ理由
オーストラリアとニュージーランドは、①隣国である、②資源国である、③中国との貿易が多い、④高金利通貨国である等、共通した特徴を多く持っていて、FX通貨ペア・豪ドル/NZドルは過去30年近く、およそ1.4~1.0までのレンジ相場を形成しています。

30年!
記事作成時より過去1年間の「豪ドル・米ドル」と「NZドル・米ドル」の相関係数は0.90、「豪ドル・円」「NZドル・円」の相関係数は0.95と強い相関があり、大国の政策等の影響を受けて通貨の価値が上下する時は、豪・NZ両国の通貨の価値が一緒に上下するため、大国を挟まずにオーストラリア・ニュージーランド間での通貨を交換すると、相場の変動はあまりありません。
アメリカ、EU、日本の重要経済指標でクロス円がどのペアも大きく動いているときに、豪ドルNZドルはほぼ影響なしということもあり得ます。
豪ドル・NZドルのレートは、記事作成時点では 1.0414 。少しわかりづらいですが、これは1オーストラリアドルが1.0414ニュージーランドドルで交換できる、ということです。
レンジ相場を長期に渡って形成している点で、豪ドル・NZドルの通貨ペアは、同じレートを上下することで利益を得る、リピート系のFX手法と相性が良いと判断します。
過去チャートはインベスティングドットコム日本版を参照しましょう。

次の項目では、具体的なポジションの取り方を解説します。
ポジションの取り方はハーフ&ハーフ (80pips)
必要証拠金を大幅に抑えることのできる、ハーフ&ハーフの手法を使います。
豪ドルNZドルを1.0~1.2までは買いトラリピ、1.2~1.4までは売りトラリピをトラップ幅0.008(80pips)毎に並べます。利確も0.008(80pips)とします。
購入ロットには傾斜をつける
ハーフ&ハーフを用いたとしても、レンジの中央からズレるほど評価損が急拡大するのを防ぐことはできません。そこで、ハーフ&ハーフの購入ロットに、レンジ中央から離れるほどロットが多くなるように傾斜を付けます。
評価損の拡大を防ぐ役割と、レンジから外れるほどリピート1回当たりの利益が大きくなり、評価損をプラス圏内に押し戻すのが速くなるからです。
下の図は想像しやすいようにドル円の例ですが、
傾斜をつけた方が、同じポジションの量でも、レンジを大きく外れた時に評価損と一回当たりのリピート益の点で有利になっているのが分かると思います。下は関連記事です。

具体的な予算表(300万)

万が一の時の評価損を計算してから取引をはじめよう!
豪ドルNZドルで1.2~1.0まで、0.008幅の買いトラリピでの運用予定表を下に示します。1.4~1.2の売りトラリピは、下図を上下反転させた評価損に(およそ)なるため省略します。1NZドル80円で換算していますので、ご了承ください。

購入Lotに傾斜がかかってるのは分かるけど、どうやって読むの・・・?
表を横に読んでください。例えば、青く塗っているところ。上の表で評価損が最大になるのは、豪ドルNZドルのレートが1.200の時から1.000まで全ての買い注文が成立してしまった場合です。その時、187万円の評価損と、112万円の証拠金が必要で、そのレートではリピート1回当たり16640円の利益があり、113回のリピートで評価損をリピート益が上回る、ということです。

ロスカットにならない予算の合計は約300万円。各レートで、自分がどのくらいの評価損を抱え、それをどうやって挽回していくのかを確認する地図だと思えばいい!評価損を想定せずに見切り発車してポジションを取りすぎるのを防ぐんだ!

宝の地図だ・・・!エクセルの使い方は初心者だけど!
仮に、傾斜を掛けずに均等に325000通貨を並べた場合、証拠金は変わりませんが、最下部では評価損だけで約260万、評価損をプラス圏に戻すためには325回のリピートが必要になります。傾斜なしより3倍近くの時間がかかる可能性があります。

生き残ること、続けやすい事を最優先にした計画だ!
レート中央でのリピート益が少ないのが難点ですが、中央の1000通貨が1.2~1.0まで低下した時の評価損がおよそ16000円だから、リピート益16000円ごとに、中央部のポジションを1000通貨づつ増やしてはどうでしょうか。

それなら問題ない!最初は我慢が肝心!
具体的な予算表(110万)

約100万円で運用する場合です。

0.008ごとの傾斜を緩やかにしているんだね!

1.000での目標リピート回数がさっきの予算300万の時とほぼ同じなのが興味深い・・・
リピート回数100回は現実的なのか

リピート100回は多いの?少ないの?
上記の運用予定表より、想定レートの一番下まで安値になったときの必要リピート回数は約120回。一番下に行くまでにどこかで数回リピートをしているはずだから、リピート100回を目標にしましょう。
2018年のデータだと、最高値は1.1184、最安値は1.0410で、高低差は0.0774。

それに対し、1営業日毎の最高値と最安値の差を全て足した総推移は1.8456と、総推移は高低差の約23.8倍です。
(トラリピ公式の「総推移」は4時間足ごとの最高値と最安値の差を使用しています。)

年間0.074の上下幅に対し、同じところを行ったり来たり、その20倍以上値動きがあるんだね!トラリピはその値動きを利益に変える手法だ!
実はこの総推移の考え方にも穴があって、トラップに引っかからない値幅、今回であれば0.008以内の振れ幅で上下した分に関しては、利益を生まない動きなので除外しなければなりません。

当然だけど、買いトラリピは購入レートから0.008下に振れて、0.008上に戻ってきて初めて利益が出るんだ。0.007下に振れて0.007上に戻った時の総推移0.014は幻になってしまうよ。
トラップ幅が広いと幻の総推移も多くなります。
過去チャートを参考にすると、2018年だとリピート回数は約17回でした。(インベスティングドットコムの過去データを参照した場合です。FX業者各社にスプレッドがあるため正確ではありません。)
3週間に1回リピートする程度だと思っていいです。
なんか寂しいから、0.004幅にしてみると約54回。劇的に増えたように見えますが、同じ予算でトラップを仕掛ける場合、値幅が2分の1、lotも2分の1になり、1回あたりのリピート益は4分の1。実は利益は増えてませんでした。

予算が決まってるからね。トラリピ初心者は、トラップ幅を狭くして利益が上がった気分になるけど、それはリスクを取ったからです。トラップ幅は半分、lotはそのままだと、リスクを2倍にしたことになるよ!

トラップ幅が狭いやつはダサいくらいの感覚で!
話は逸れましたが、レートが大きく中央から外れた場合、およそ5~6年の長期で取り返していく感覚があれば、豪ドル・NZドルの運用は現実的であると思います。
逆に言うと、上記の表の一番下の評価損をリピート益が上回れば、それ以降のリピートは全て口座から抜き出して使ってもいい完全なお小遣いです。長期トラリピのゴールはそこになります。
まとめ

他国の影響を豪ドル・NZドルが一緒に受けるから、この2国の通貨ペアにすると変化が少ない!

運用予定表を作っておく!円高・円安で評価損に上下があるから、余裕を持った資金で!

トラップ幅が広いから、次のトラップの新規注文と決済注文の2つだけ出しておけばいい!数日に一回の作業!

レンジ中央を外れても戦えるようにするため!5~6年はかかるかも!

レンジの最下部・最上部は初めからリピート益が大きい部分だから、リピート益の再投資で、利益の少ない中央部をカバー!
それでも過去最安値・最高値を急な速さで更新していけば大きな損失は出ます。余剰資金で運用すること!積極的にトレードを勧める記事ではありません。

豪ドル・NZドルの通貨ペア、まずは少額で試してみようと思います。
お礼
本家トラリピに豪ドルNZドルの通貨ペアが追加されましたが、トラリピ本家以外で、トラリピの発注をひとつずつ指値で行う「手動トラリピ」でも同様のことが可能です。
今回の記事作成に関して、豪ドル・NZドルを実際に手動トラリピで運用し、ブログ『手動トラリピのすすめ』で運用状況を公開しているMasaTさんに記事のチェックをお願いしました。
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運用法解説記事(改良コアレンジャー)

「手動トラリピ」の検索ワードではトップに出てくるブロガーさんで、FXで様々な通貨を運用し、実績を公開しています。
FXは資金管理が最優先なので、リピート益・評価損を詳細に報告する記事は、とても参考になります。ご協力ありがとうございました。

豪ドル・NZドルがもみ合った時にウハウハする系ブロガーなので、豪乳もみもみトレーダーと呼んでいいでしょう。
豪ドル・NZドル手動トラリピ、検討してはいかがでしょうか。
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