この記事では、FX通貨ペア・豪ドルNZドル(audnzd・オージーキウイ)で、過去最安値付近から最高値付近、1.000~1.400の間で、ハーフ&ハーフでトラリピ運用を行う場合の具体的な運用法・予算の解説を行います。
本家トラリピには豪ドルNZドルの通貨ペアがないため、マネーパートナーズの連続予約注文(最大20回の予約注文)を使って、トラリピを再現。
クロス円ではないから、評価損・証拠金の計算が面倒・不安な人のために、各レートで考えられる最大評価損を掲載、運用中の不安を取り除く記事です。

見切り発車でポジションを持ってはいけない!
気になるところに目次で飛んでください。
魅力的な通貨ペア 豪ドルNZドル
FXの通貨ペア、豪ドルNZドル(audnzd)。
20年以上、過去最高値1.400から最安値1.000付近を推移していて、毎日の値動きも大きめの、トラリピ向きの通貨ペアです。
個人の感想ですが、アメリカ、日本、ユーロ圏、中国などの大国の経済の影響は世界中に飛び火します。その影響をオーストラリアもニュージーランドも同時に受けるため、例えば豪ドル円が下落するときはNZドル円も一緒に下落。つまり豪ドルとNZドルの通貨ペアなら、その影響はあまりないことになります。

どちらかの国の政策金利の変更で急に動くことはあるよ!
2020年2月後半からの、いわゆるコロナ相場(仮)においても、豪ドルNZドルは安定。すでにレートを戻しています。
アビさん(@chan_abi_blog)による過去1年間のバックテスト結果では、高い利益率はもちろんですが、何よりトラリピの最大の問題点、運用中に大量に抱えてしまう評価損が少ないという魅力が浮かび上がりました。

あくまでも過去1年間の結果であることに注意!実際に運用するときは慎重に!
アビさん(@chan_abi_blog)は、エクセルシートで簡単にトラリピバックテストが行えるツールを無料で提供しています。
(豪ドルNZドル対応にアップデート予定)
トラリピのバックテストツール作りました!
・本家「運用試算表」と同じ入力方式
・複数通貨にも対応
・累計利益と必要資金がすぐ分かる
良い通貨ペアの組み合わせや、設定を見つけたらシェアしてくださると嬉しいです!
使い方やダウンロードはコチラ↓https://t.co/z1hYFNpTDQ#トラリピ pic.twitter.com/BIcdbviErS
— アビ@トラリピFX (@chan_abi_blog) April 28, 2020
過去データと、設定レンジ・トラップ本数・利確幅等を入力すれば、最大必要資金・最大含み損を計算してくれる優れものです。
この、ある程度安定した通貨ペア・豪ドルNZドルで、過去最高値から最安値までレートが動くことを想定したトラリピ運用を検討してみます。
豪ドルNZドル 運用方針
運用方針① マネーパートナーズの連続予約注文で、トラリピ・ハーフ&ハーフを再現
1つ目の運用方針は、トラリピ・ハーフ&ハーフ。
0.004(40pips)のトラップ幅で、過去最安値付近の1.000~1.200までを買いトラリピ50本、1.200~1.400までを売りトラリピ50本で埋める計画を立てます。利確幅も0.004。
トラリピ本家には豪ドルNZドルの通貨ペアがないため、マネーパートナーズの連続予約注文でそれを再現。
連続予約注文は、最大20回分の注文を1回分の証拠金で発注できる注文方法。1.000新規買い、1.004決済売りのリピートを20回繰り返してもらうこともできます。
連続予約注文は逆指値ができないので、現在レートより上の買いトラップ、現在地より下の売りトラップは敷けないのですが、それを解決する方法はあります。詳しくは下の記事で。


トラリピと同じような感覚で運用できる!
20回で終了したトラップに関しては同じレートに新規注文を建て直すことになるため、週1回、もしくは月1回程度、土日のレートが動いていない時間帯に確認しに行き、ゆっくり発注し直せばいいでしょう。

一週間に1回見に行くなら、注文の予約も現在レートから上下に3つくらい出していれば十分だね。
運用方針② ハーフ&ハーフに傾斜をつける(運用予定表あり)
通常、トラリピ・ハーフ&ハーフと言えば、レート中央部から上下に1000通貨のトラリピを50本づつ・・・のように一度に発注しますが、今回はそれは使いません。
ハーフ&ハーフは、レートがトラップの中央部にいるときは含み損のポジションがなくなるという利点があります。

中央部より上が売りトラリピ、下が買いトラリピだからね。
ただ、豪ドルNZドルは基本、同じ場所をウロウロしています。それを期待してトラリピを試みるはず。
だから、一度レートの中央部をはずれると、そこから中央部に戻るまでに数年かかるかもしれません。もし豪ドルNZドル運用が自分に合わなかった場合や、急に現金が必要になった場合、他業者で運用したくなった時に、偶然レートが中央部の全決済しやすいところにいるという期待はできません。
いつでも撤退・損益分岐点に近くなるように、ハーフ&ハーフに傾斜をつけてみましょう。マネーパートナーズFXnanoは、100通貨単位の注文が可能なので、細かく注文量を調整できます。

そこで下の表です。中央値から上の売りトラリピの分の各地点での最大累計評価損を赤色で示しています。じっくり読むと楽しい表です。
※1NZドル=80円換算です。記事作成時(2020年5月)よりやや高めですが、証拠金・評価損を高めに見積もるためです。正確な金額は各自修正してください。

目がチカチカするんですが。
いつかはやってくる、中央値から上端、もしくは下端まですべてのポジションを持ってしまった場合の評価損がすぐにわかるようになっています。買いトラリピの分は、これを上下反転させたものだと思ってください(およそ)。
ハーフ&ハーフに傾斜をつけたものの下半分を貼っておきます。

一番下は、レンジ中央部の1.20からすべての買いポジションを掴んで1.00までレートが下がった場合、66万円の評価損と43万円の証拠金が必要になるという事だね。
どんな利点があるのか
証拠金、評価損の合計はどちらの運用方法でも120万円程度。その差は小さく思えるかもしれません。
しかし、重要ポイントは損益分岐までの決済回数。
トラリピで怖いのは、ほとんどリピートせずにレートが大きく逆行した場合、評価損の急拡大にリピート益が追い付かないこと。
上の表を参考にすると、普通のハーフ&ハーフでは、レンジの端で揉み合いがいつまでも続いた場合、1125リピートしないと利益になりません。
マイナススワップを取られる側のポジションだった場合、レンジ最上部ではポジションも多くなっているため、最悪スワップ負け、リピート益がスワップにすら追い付かないこともあり得ます。
傾斜をかけた場合、ハーフ&ハーフの中央部分から外れるほど一回当たりの利確が大きくなることで417リピートで利益を出すことができ、運用中の撤退も容易になります。
マイナススワップの付く側に大きくポジションが傾いた時も、一回当たりのリピート益が大きくなっているため、スワップ負けのストレスも解消。
逆行したときの評価損の拡大スピードが緩やかなのも見逃せません。

メリットばかり上げているけど、デメリットはないのか。
デメリットは、レンジ中央部の利確の弱さです。一番利確が小さいところで、100通貨でのトラリピ。1NZD=80円換算だと32円です。ちなみに最上端はその50倍、1600円。
いつでも2000通貨・約640円の利確を取るか、運用停止時の事も考えて変動するリピート益を取るか。という事になります。
トラリピを何年も続けたのに、結局トータルの収支がマイナスになるのは、トラリピを始めたときの価格から大きく外れたまま、一回当たりの利益が変わらない運用を続けていることに原因があると考えています。
レンジ中央部の利益は確かに少ないですが、連続予約注文のおかげで20回までは放置しても大丈夫。忘れたとしても大きな機会損失にはなりません。32円だし。

資金に余裕ができてから、中央部のポジションを厚くしても遅くないと思います。
以上の理由から、

運用予定表の一部を切り取って、デスクトップに貼っておくと注文が楽。

表の一部を見ながら・・・

このボタンを20連打すれば、20リピートぶんの予約ができます。
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豪ドルNZドルのさらなる活用の仕方をまとめています!