emaxis slim 米国株式(s&p500)などの、米国株に投資する投資信託の為替リスクを回避する方法の解説です。FXの話題も出てきますのでご注意ください。
結論から先に言うと、auカブコム証券の代用有価証券制度を使い、emaxis slim 米国株式(s&p500)をFXの証拠金として差し入れ、円高方向で利益が出るようなFXの運用を行うことで、為替リスク・さらには株価の下落リスクに耐えるという方法の紹介です。
追記 2020年5月
2020年2月下旬からの、いわゆるコロナショックにおいても、米国株投信・ETF・国内株の暴落と同時に円高が発生ししたため、あらかじめ円高で利益が出るように持っていたFXポジションのおかげで、コロナショックによる資産の下落を回避することができました。
円高と株安はある程度同時に起きるという前提に立ち、株式・投資信託が不調の時はFXで利益を出し、資産を安定させるのが目的です。
投資信託・ETF・国内株をFXの証拠金として差し入れるため、FX用の現金は必要ありません。それどころか、FXポジションの利確で発生した現金で安くなっている投信・ETFの買い増しができます。
投資信託ではなく、同じくS&P500に投資するETF(2558)や(1655)でも、同様の為替リスクヘッジを行うことができます。
FXはレバレッジをかけた証拠金取引です。くれぐれもポジションの取りすぎには注意してください。特定の投資手法を推奨する記事ではありません。
基本事項から、詳しい運用法まで解説しています。目次で気になるところに飛んでください。
投資信託の積み立てを始めたい!
個別株は複数の銘柄の管理が大変!時間もないよ!
これから初めて投資をする人や、お気に入りの株や優待銘柄がたくさん出てきて、銘柄の管理が大変になってきた人は、投資信託やETFの購入や積み立て検討していると思います。
ざっくり説明すると、投資信託は信託報酬を払ってプロに資産運用を任せるもの。ETFは上場投資信託と言って、それを株と同じように売買できるようにしたものです。
100円から積み立てられるものもあるよ!
みんなからお金を集めてプロが運用!銘柄選定や分散投資はプロがやってくれる!あとは長期でそれを積み立てれば、長期・分散・積立がしっかりできる!
最初は少額の積み立てでも将来は大きな金額になるから、投資先の分散がしっかりしてある投資信託・ETFがおススメ!ということです。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とは?
その中でも優秀なのは、投資信託『eMAXIS Slim』シリーズ。
『eMAXIS Slim』?
三菱UFJ国際投信株式会社の解説ページが分かりやすいです。業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続けることを目標にしているところが素晴らしい。実際に何度も信託報酬を引き下げた実績があります。
けっこう大切なことだけど、信託報酬は「資産総額に対して何%」という形で取られるから、複利効果で資産が増えたらその分信託報酬も増えます。
怖いな!
株は取引手数料に上限がある会社が多いよね。持ってるだけでお金は取られないし。
今回は、信託報酬が低い・購入手数料が不要・積み立てNISAの対象銘柄に選ばれている、
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を推します。
S&P500指数の値動きに連動する投資成果をめざす投資信託で、分配金はなく、分配金は再投資されます。
S&P500は、日経平均株価みたいなものだね。規模は全然違うけど・・・
運用実績も素晴らしいね!
投資をする以上、どの銘柄にも下落リスクはあるし、銘柄の選定・運用はプロに任せて、信託報酬が低い=手元に残るお金が多い。っていう単純なコスト重視の考えも悪くないと思います。
リスクはないのかな?
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の為替リスク
目論見書より引用。
下の2つは「つみたてニーサに選抜されている純資産総額の高い人気のファンドだ」いうことで納得することにします。(投資銘柄の選定は個人の判断でお願いします。)
1番上の価格変動リスクは、つまりアメリカの株価や景気の影響を受けるっていう事だね。
価格変動リスクは、どこの地域に投資しても付いて回ります。必ずお金が増える投資先はありません。余剰資金を使って、実生活に影響のないような投資を心がけましょう。
残るのが、為替変動リスク。アメリカの株式に投資するから、日本円に換算するときに円高・円安(ドル安・ドル高)の影響をうけます。
ブラックマンデー、リーマンショック、ブレグジット、トランプショックなど、アメリカで株の暴落が起きたときは大きく円高に振れています。(必ずではありません。)
2020年2月からのコロナショック(仮)においても、円高に振れました。
為替ヘッジをしない 『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』は、アメリカの株価の下落によって価値を下げた時、為替が円高・ドル安に振れていたらそれを日本円に換算する時に更に評価額が下がります。
円高・株安でダブルショックっていうことだね!
株価も為替はそのうち戻ってくる(たぶん)し、再投資される分配金もあるから、損切をしないで積み立てを長期で続ければそれを含めてもプラスになる(たぶん)ので、コツコツ積み立て投資が一番!と結論付けられていることが多いです。
やっぱり安心じゃないか!つみたて投資信託!
でも、長期積立の終盤、例えば自分の定年退職後に運悪く大幅な株安・円高が重なってしまった場合は、大ショックです。必要な現金の分だけちょっとづつ投資信託を解約して、値が戻るのを待つことになります。せっかく積み立てた資産が目減りをし続けるかもしれません。
だから、長期の積立投資をしつつ、円高・株安のダブルショックに備える運用を提案します。
カブコムの「代用有価証券FX」で為替リスク対策!
個人の見解で、特定の投資手法を推奨するものではありません。
まず、auカブコムFX の口座を用意します。
auカブコムFX で投資信託『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』を積み立てます。
自動積立ではありません。NISA口座でもつみたてNISAでもありません。予算を決めて好きなタイミングで投資信託を購入してください。
始めやすい!
投資信託には、分配金を受け取る『一般型』と、分配金が再投資される『累投型』の2つの購入方法がありますが、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)はそもそも分配金を出さずに再投資して運用を続けるタイプの投資信託なので、ここは『一般型』にしてください。
意味はあるのかな?
auカブコム証券のホームページより引用
下の画面が実際に振り替えた様子。振り替えたり戻したりはパソコン上ですぐ、トップページの「入出金・入出庫」→「振替依頼」→「投資信託振替」から1分でできます。
シストレFXっていうサービス名だけど、システムトレードは使わなくていいです。いつもと同じ指値とか成行売買ができます。
これで、投資信託の評価額の70%が、FXの証拠金として認められることになりました。
この資金で、円高方向で利益が出るFXポジションを取り、円高・株安が同時に起こったときに、FXで利益を出し、資産を守ります。
次の項目で、具体的なFXポジションの利確方法を説明します。
円高方向へのFXで為替リスクを回避!最適ルールは?
円高の時に利益を上げる!
投資信託を代用した資金を使って、円高で利益が出るようにFXを行います。
なんで?
米国株が大きく暴落するときは、円高に振れがちだからです。(必ずではありません)
少しおさらいします。長期で積み立て購入予定の外国株式の投資信託「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、株価の下落リスクは仕方ないとして、そこに円高が重なったときの為替差損が怖い。
ブラックマンデー、リーマンショック、ブレグジット、トランプショック、コロナショック(仮)は全て円高でした。
投信の評価額が3割減って、円高も2割進んだら資産の44%が一気に減少してしまう。
そこで、暴落を黙って見ていることはせず、あらかじめFXで円高方向で利益が出るようなポジションを持っておき、現金を先に確保。
さらに、その利益を使って投資信託を追加購入し、投資信託の値が戻るときの回復力を上げます。
新たに買った投資信託は代用してFXの証拠金にすると、証拠金維持率アップ。徐々にFXポジションを増やすことができます。
円高はドーンと来てもいいんだね、FXで利益は出るし、十分に分散投資された投資信託の評価額はさすがに0にはならないから。
円高時にFXで利益を出し、そのお金で安くなっている投資信託を追加購入・・・!いいコンボだ!
3万円毎に1000通貨!ポジションの取り方は?
つぎに、売りポジションを建てる量とタイミングと、利確のルール。思ったより円安が進んでしまった場合の損切ルールが必要です。
売りポジションを持ってるだけでは利益は出ないからね。
ここは、値動きを利益に変えるトラリピの手法を借ります。
本家トラリピは自動売買ですが、トラリピは一定間隔ごとにポジションを建てて利益が出ているポジションを利確しているだけなので、すべての注文を自分で建てて再現することができます。手動トラリピです。
例えば、1ドル100円の時に1000通貨の売りポジションを持ち、99円になったら利確。再び100円に戻ったら再度売りポジションを持ちます。
もし、1ドル101円になってしまった時はそこでも1000通貨の売りポジションを追加購入し、そこでは1ドル101円が100円になるときの利益を狙う、といった手法です。
手動トラリピならではのメリットはこちら!
でも、トラリピは一定間隔で次々ポジションを取るルールだから、予算の管理が・・
ポジション量に上限を設けます。
投資信託の評価額30000円につき、1000通貨まで。これ以上はポジションを建てません。
なんで。
投資信託を30000円分積み立てる、もしくは評価額が30000円まで上昇したら、売りポジションを1000通貨まで持っていい。30万積み立てたら10000通貨まで。それ以上は持ってはいけません。ポジションの利確幅はお好みで決めてください。
考えてみると、円高・株安でダブルショックを受けてしまうemaxis slim 米国株式(s&p500)ですが、円安に進むなら、投資信託が為替差益で評価額を上げているはずなので、必要以上のFXポジションはいりません。
そうか!円安時にドル円の売りポジションを取りすぎるのはむしろ損だ!
投資信託の積み立てを考えているのだから、次に30000円分投資信託を購入したところで、ゆっくりもう1000通貨、売りポジションを追加すればいいんです。
確かに。ポジションを持つ・持たないに根拠ができた!
積み立てを続けるにつれ、売りポジションは多くとれるようになっていき、トラップ幅・利確幅も好きにできて、○○ショックが来て大幅円高なら売りポジ全決済!という可能性もでてきます。
2020年5月追記
実際に2020年2月からのいわゆるコロナ相場で、私のFX円売りポジションはすべて決済され、資産を守ることが出来ました。さらに利確した現金でETFを買い増ししています。
FXで大切なのは資金管理だから、持ってもいいポジション量が分かりやすいのが一番だと思います。
手動トラリピを続けることでどうしてもポジションは増えてしまうけど、それを大幅円高がきて投資信託の価値が下がったときのクッション+安値で更に投信を買う時の資金源にするんだね!
売り目線と買い目線を切り替えながらの裁量トレードでは負け続けることもあり得るので、リスクヘッジになっていません。emaxis slim 米国株式(s&p500)と逆の動きをする(必ずではありません)FXポジションも徐々に増やしたり、少しづつ利確したりして円高株安のダブルショックに備えます。
これで、配当金が再投資される投資信託の複利の力と、FX益の両方を取れる可能性が出てきました。
ロスカット基準
30000円で1000通貨の理由がまだ説明されてないけど。
30000円の投資信託は、その70%が代用有価証券の評価額として計算され、21000円分の証拠金に換算されます。1000通貨売りだと21円分の値動きに耐えられる金額です。
1000通貨売りで建てたポジションが、21円円安に振れたら、大体30000円分の投資信託を解約して現金化し、そのお金でロスカットはどうでしょうか。
損切時にも現金がいらないね!円安だったら外国株投資信託の解約タイミングとしても悪くない!
21円は広く感じるかもしれませんが、ドル円でもユーロ円でも、過去20年の年間の平均値幅くらいはあります。
(WE LOVE FX FX初心者におすすめのFX会社・口座比較サイト)
不安な人は投資信託4万円、5万円毎に1000通貨と、ロスカットまでの幅を広げましょう。
極端な話、投資信託8万円につき1000通貨のルールにして、80円分のロスカットまでの余裕があれば、ドル円の過去30年の最高値と最安値の高低差や、1999年のユーロ導入から2019年までの高低差でも損切りは必要ありません。
さすがにハイレバFXとは言えないね!
とにかく、投資信託の評価額とFXポジションの本数を連動させることで、維持率とかロスカット水準が分からなくなるのを防ぎます。
評価損が一定額を超えたポジションは、投信を一部解約してロスカット!覚えるロスカットルールはこれだけ!
細かい為替の値動きがあれば、手動トラリピの利益も出ているはずだから、維持率にも余裕があるはず。ロスカットはしない・予算オーバーの分だけ新たな投信を購入して代用するという選択肢も!
通貨ペアはどうする?
米国株の投信だからドル円の売りが最適ですが、ドル円売りのマイナススワップが大きいため、運用中に心が折れそうです。
記事作成時でのauカブコム証券の1000通貨売りのマイナススワップは8円です。年間約2920円。一年でロスカット基準が2.92円近づいてくるのと同じです。
ひどい!
最近のドル円との相関が高いユーロ円の売りで始め、将来的にドル円売りのスワップが低くなればドル円に切り替えて運用してはどうでしょうか。
ユーロ円とドル円の相関は(今は)高めなので、マイナススワップのストレス減・トラリピ益が期待できることを考えると、穴埋めは十分できていると判断します。(個人の感想です)
アメリカ1強の時代が終わったり、ユーロ高が進むリスクが出てきますが、その時は投資先をユーロ圏・その他地域に変えた優秀な投資信託が出てきているのではないでしょうか。
自動積み立てじゃないんだから、毎月の投資信託の積み立て先を変えればいいよね・・・
まとめ
手順をまとめよう!
手数料が少なく、分配金を再投資する、成長力のある商品だ!全世界に投資するファンドもあるよ!よく検討しよう!
投信で代用有価証券制度が使えるのはauカブコムFX だけ!
ユーロ円のレート一定間隔ごとにポジションを持ち、利確できるものはするだけだ!為替の値動きを利益に変えるよ!利確幅はお好みで!
為替リスクをカバーしつつ、積み立てスピードを上げる・・・!
円安により投信の評価額が上がっているからFXの売りポジションは無駄!次回以降の積み立てでもう1000通貨建てられるようになるまで待とう!あせらないFXだ!
損切にも現金がいらない!
繰り返しますが、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の為替リスクは円高目線のFX(手動トラリピ)で対処。
円安によるFX評価損の拡大は投信の為替差益が自動でガードしてくれる。
これを長期で続けると、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)長期の配当金再投資による複利効果の成長力と、FX手動トラリピの長期運用により出てくる利益の両方を得られるから・・・・
これを、1つの口座でできるのがauカブコムFX の代用有価証券FXです。
投資信託積み立て用の予算だけで、同じ口座で資金管理ができ、投信1本とユーロ売りFX通貨ペア1つで運用可能で、資金管理法も取引ルールも決まっている。
リスク回避のため、様々な金融商品に手を出す場合、その資金源と情報収集の手間、そして、再現性はどうなんでしょう。徐々に複雑になっていかないでしょうか。
細かい事を気にしなくてもいいから、投資信託の長期分散積み立て投資を始めよう。でもちょっとつまらないから、日々のFXの売り買いも楽しみたい。目的を持って、タダで。
そんな考えを持つ私にはお気に入りのバランスです。eMAXISの運用利回りを上回ろうというわけではなく、積立投信とFXの拘束資金をうまく使いまわして資金効率を上げているのがミソです。
暴落に備えて、現金比率を高めていたり、債券などの別商品を組み込んで対策している方もおられると思いますが、それはそのままで問題ありません。予算を全く圧迫しない、S&P500の複利パワーも邪魔しないFX運用です。検討してみる価値はあると思います。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)に自己再生(円高ヘッジ)・自己増殖(FX利益再投資)・自己進化能力(複利の力アップ)を付けているイメージです。
急に適当な説明になったけど。
投資信託を使った代用有価証券FXは、検討の価値アリ!
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