持っている株式などをFXの証拠金の代わりに差し入れることのできる、代用有価証券制度。
使い方によってはとても有用ですが、

代用有価証券制度が良く分からない・・・

FXで損をしたら意味がない!預けた株を取られてしまう!?

現金でFX証拠金を用意した場合と何が違うの?
そんな疑問に答える記事です。
代用有価証券制度を使ったFX(以下、代用FX)の説明と運用法を、具体例を挙げながら解説しようと思います。
特に優待株の長期保有や、高配当株による配当収入を目的にしている方、
長期トラリピには将来性を感じるが、含み損の拡大に悩んでいる方は必見です。
運用資産が大きくなるほど効果が高まるので、実行する・しないは別にして、知っておいた方が良いと思います。
代用有価証券制度は知ってる!早く具体的な運用法を知りたい!という人はこちらの記事へ。

数回の記事に分けて、ゆっくり解説していきます。
代用有価証券FXに効果はあるのか
まずは前年度の実績から。
ブログ開始時から毎月運用報告のページで公開している、代用有価証券制度を使ったFX(以下、代用FX)を利用し、所持している株を代用してFXを行った場合の収益の推移です。
上記グラフでの収益は、株・FXで利確した利益から、所持しているポジションの評価損を引いたものです。30万円の利確に対して30万円の含み損がある場合は利益は0円となります。

株とFXの全てのポジションを決済した場合に出てくる利益が緑の棒だね!
コロナショックにより、株安と共に円高が進みました。株式部門は大きくマイナス評価になりましたが、その株を代用して円高で利益が出るようにFXポジションを持っていたため、資産の減少をガード。

緑の棒グラフが青のグラフより長くなっている分が代用有価証券FXの効果だ!
この株価下落時のリスクヘッジと利益の増加を、FX用の予算をかけずに、同じ証券会社の口座で行うのが目的だと思ってください。

株価と逆の動きになるようにFXポジションを持つんだね!タダで!
では、次は制度の説明に移ります。
代用有価証券制度とは
代用有価証券FXを、auカブコム証券の代用有価証券制度を使って説明します。現状で一番使いやすいのがauカブコムFX だと思うからです。
公式ホームページでの説明は以下の通り。

もう分かんない。解散!

絶対読み飛ばす所だよね・・・
とりあえず、
FXの証拠金の代わりに株とか投資信託を使うことができるよ!
FXポジションに評価損が出ていても、証拠金の範囲内であれば現金はいらないよ!
さすがに評価損のポジションを決済する時には現金が必要だけどね!
株・投資信託の配当とか優待はそのままもらえるから心配しないで!
・・・という制度だと思ってください。(auカブコムFX のみ、上記の条件が全て揃っています。)

まだ利点が分からないです。普通に現金で証拠金を用意してFXをやる場合と何が違うの?
この説明でも効果が分かりにくいので、次は個別の銘柄を使って手順と利点を具体的に説明します。
運用の具体例・日本取引所グループ(8697)を買ってみる
具体例として、日本取引所グループ(8697)の株を買うとします。
(8697)は、取引所金融商品市場の開設・運営に係る事業を行っています。

株取引がスムーズにできるようにしてくれているところだね!
株価は記事作成時・2020年2月現在で2000円前後。約20万円で100株購入できます。
配当は2019年は年間7000円。税引き後で5340円でした。

悪くないね!
さらに、3月にはクオカード1000円分がもらえます。
なんと、1年以上2年未満継続保有の場合2,000円相当、2年以上3年未満継続保有の場合3,000円相当、3年以上継続保有の場合4,000円相当と、長期保有で最大4000円まで上がります。

税引き後の配当+クオカードで年間最大9340円!いい感じだ!

株価が下がっても長期ホールドで挽回できそうだね!
代用有価証券制度は、この長期保有目的の株をターゲットにして代用するのが望ましいです。次の項目で説明します。
日本取引所グループ(8697)をFXの資金にする
配当+優待で年間9340円にもなる優待株、おそらく株価が大きく下がっても売却しないで持つことになると思います。目的は配当と優待だから。

配当などの現金収入の事をインカムゲインっていうらしいよ。
さらに、株価が大きく上がっても売却しない可能性もあります。

3年以上ホールドして優待の長期保有特典を手に入れたからね!簡単には手放さないよ!
いずれにしろ売らないのであれば、あたりまえですが、購入時の資金・約20万円が長期に渡って拘束されることになります。
そこで代用有価証券制度の出番です。売らない株をFX資金にするのです。
やり方は簡単。(auカブコム証券の場合)
ボタン1つ(パスワード入力あり)で株・投信をFX証拠金に組み入れたり取り出したり出来ます。振替にかかる時間は長くても1分程度。
現金に関しても、同じカブコム口座内での移動なので、証券口座⇔FX口座の資金移動も1分以内でできます。

特定のFXポジションと代用した株が紐付けされるわけではないよ!もし代用した株を売りたくなったら、代わりの株を代用に入れてから売りたい株を取り出して利確すれば、FXポジションは崩れません。
私はとりあえず持っている株をすべて代用してFX証拠金を厚くしておき、売りたい株があったら代用から外して売却、売却した代金はFX口座にもどしています。
代用した株の評価額の70%がFX証拠金として認められるので、20万円の株(8697)で、14万円の予算でFX取引が可能になりました。
代用有価証券で低リスクFX運用! 高金利通貨か手動トラリピが最適!

株を使ってFXができるようになったけど、それで損をしたら株を代用した意味がない!やらない方がマシじゃないの・・・?
株の代用のやり方は分かりましたが、肝心のFXポジションの持ち方に不安が残ります。
代用FXの心構えを説明すると、
① 長期保有目的で優待・高配当株を所持している。
② 仮に株価が大きく下落したとしても売却する予定はない。
③ 下落しても価値は残っているから、その部分をFXの証拠金として使いたい。
④ FXでも利益が出るなら、株の配当・優待+FX益が狙えて、資金効率が改善するはず。
ということになります。

④が大問題じゃないか!
イメージとしては以下の図です。

株価の大きな下落を想定しても、まだ残った部分があるから、そこでFXを長期運用しようとしているのか!
現金を使わずに株を代用してFXを行う場合、FXポジションを損切をする時には結局現金が必要になってしまいます。
裁量取引のように、「うまくいったら利確するけど、エントリーしたポイントから逆行したら損切」のような運用法では、ゼロ円でFXはできません。
つまり、代用FXには、基本的に損切は行わず、含み損を抱えながらも長期で利益を目指すような手法が最適です。
最適な運用法と思われるのが、例えば高金利通貨を買うスワップ投資。または、トラリピ(手動トラリピ)。もしくは上記2つの組み合わせ。(手動トラリピの利点はこちら)
高金利通貨は、スワップは貰えるものの、徐々に価値が下落していくため、一時的な含み損は避けられません。下がってきたら買い増しする方針の場合は含み損は必ず発生します。
トラリピ(手動トラリピ)も、様々な価格帯にポジションを持ち、大きな含み損を小さな利確の繰り返しで上回る手法のため、含み損は常に抱えます。
いずれにしろ発生する含み損を、含み損であるうちは現金は要らないから、売らない予定の株に担当して貰おうというわけです。もちろん、FXポジションの取り過ぎには注意してください。
詳しい説明は次回になりますが、先ほどの収益グラフは、株安の時には円高が進む事が多い(今は)ため、株を代用してFXのユーロ売り手動トラリピを行った結果です。
2020年2月末からのコロナショックもFXの収益でカバー。2か月ほどで回復しているのが分かります。
代用FXを使わずに、株とFXを別予算・別口座で運用しても同じ効果が得られると思うかもしれませんが、全く違います。これは次の記事で。

FX運用は高金利通貨の長期保有か、手動トラリピで確定だと思います。
代用FX まとめ

配当・優待にプラスして、FX運用益も追加でゲット!

代用有価証券FXの基本を解説 ① はここまで!
次回は、代用FXにおける株のリスク回避の方法、具体的なFXポジションの持ち方を解説します。
代用FXには、まだまだ運用法の秘密が隠れているので、少しずつ解説したいと思います。
次回の予定
代用有価証券FXの基本を解説 ②
代用有価証券FXの基本を解説 ③
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