先に結論!
リピート系売買は、
・レンジを外れると大きな含み損
・安全策を取りすぎると他の運用のほうがマシ
という欠点を持ち、運用のメインとしては積極採用しにくい。
そこで、
・代用FX予算内で
・無理のないトラップ設定
この条件内でこそ、リピート系が最も輝くのではないか。
その設定とは、均等にトラップを敷く従来のトラップではなく、不利な方向に為替が進むほどトラップ幅が広くなっていく
「幅広トラップ」なのではないか。
という記事です。
全然わかりません。
FX運用は今まで通りのリピート系で大丈夫なのか?という不安を抱えた方に参考になる記事を目指します。
気になるところに目次から飛んでください。
個人の感想です
リピート売買の欠点は何か
自動でも手動でも、リピート系売買の大きな欠点は
・レンジアウト時の含み損が大きすぎる
これに尽きます。
例えばクロス円を、1万通貨・トラップ幅1円で並べ続けた場合の、○○円逆行時の含み損は下の表です。
80円の逆行で3,000万円!
上の表は含み損だけ。そのほかにポジションを立てるための証拠金もかかるから、口座維持に必要なお金は、40円前後の逆行で1,000万円を超えます。
逆行時の含み損はあらかじめシミュレーション可能ですが、実際に直面してみると
「細かい利確を楽しむという運用方針」と、「含み損の大きさ・その拡大スピードに対する怖さのバランスが取れていない」という印象です。
心理面でもリスクとリターンのバランスがおかしくなってくるね。
個人の感想ですが、40円の逆行あたりから、リピート系は資金の運用先としての魅力には欠けると判断します。
仮にレートが元に戻るとしても付き合いきれないということか。
ここで対処法としてよく提案されるのが、
・最適通貨ペア探しや利確幅の工夫
・プラススワップ方向だけでやる
・トレンドをフォローしたリピート
・すくみ
・正確なレンジ予測
・ピンチになってからの両建て
・追加入金
・トラリピ(笑)みたいな謎マウント
・通貨量を減らす
このあたりです。
ただ、これらの対処はよく考えると「逆行するほど含み損が激増する」という欠点に対する対処にはなっていませんね。
最後の「運用通貨量を減らす」も、通貨量を半分にすると含み損も半分になるのは当たり前で、いわゆるナンピン系の欠点は解消していません。
個人の資金量によってサイズが変わっているだけだしな!
「○○の方法で現在は上手くいっているから」という理由以外に、確実に含み損を減らす方針でリピート設定を組む必要があります。
これに対処するのが、不利なレートになるほどトラップ間隔が広くなる幅広トラップと代用FXの組み合わせだと感じています。
下の図のように、運用開始地点から、不利な方向にレートが進むほどトラップ間隔を徐々に広げていき、含み損を大きく減らします。
運用開始地点ってどこだよという突っ込みもあるかもしれませんが、公式やインフルエンサーの設定に乗る場合も、通貨ペア・売り買いの方向は参考にしつつも、均等にトラップを並べるのではなく、1つ目のポジションを取った後は、そこから逆行するほどトラップ間隔を広げていきます。
買いトラップが順張りになっているなら、下部のトラップを取り消しながら付いていくだけだね。逆行し始めたらマネをしない。という方針をルール化しているよ。
等間隔自動売買で儲かるのは業者
次の項目で解説します。
幅広トラップはどこが魅力か
レートが不利な方向に進むほどトラップ間隔が広くなる幅広トラップの魅力は、含み損を抑える効果が確実なことです。
例えば、2021年1月~2022年10月までの間に、ドル円は105円から150円付近まで、約45円の円安が進みました。
その期間、等間隔の買いトラップを敷いていた場合のバックテスト結果はこちら。
1万通貨・トラップ幅1円・利確幅1円とします。
魅力的ですね。260万円のリピート益。
では、その期間、1ドル105~150円まで、トラップ幅1円で売りトラップを敷いていた場合の運用結果も確認してみましょう。利確幅も1円とします。
※インヴァスト証券のバックテストツールを利用しています
約45円の逆行で、最大含み損はおよそ700万円。45本のポジションを立てるための証拠金も含め、必要予算は1000万円を超えます。
買いで成功した場合の2.6倍の損失!
いわゆる、トレンドを読み違えた時の含み損の拡大は、利確幅の工夫などでは到底追いつきませんね。
「早めの損切り」のアドバイスも、早めとはどこなのかという問題が付きまといます。
20円の逆行で、すでに含み損は200万円に到達しています。躊躇なく損切りできる額でしょうか。
ここで、幅広トラップのバックテスト結果を示します。
105円という底で最初の売りポジションを持ってしまったとして、次の売りポジションは106円、次の売りポジションは2円上の108円、次は3円上の111円・・・と、不利な方向に進むほどトラップ間隔が広くなっていくスタイルです。
運用期間中の最大含み損は約160万円。1円毎のトラップの時と比べて4分の1程度になりました。
もちろん、幅広トラップで勝てるようになるわけではないですが、含み損を抑える効果は確実。
1円ごとのトラップと、1・2・3…とトラップ幅が広がっていく場合の含み損の推移を比べてみます。
特に代用FXを扱う場合、含み損の増加の緩やかな方を選んだ方がいいかもしれませんね。
失敗した時のダメージが少ないほうが再起もしやすくなります。
株の成長も期待して、FXはムリせず防御重視!
次の項目は、通貨分散についてです。
幅広トラップ+通貨分散
幅広トラップは、通貨分散にも適しています。
リピート系の経験者の中は、レンジアウトした通貨の損切りの際、以下のような経験はないでしょうか。
「1ペアの損切りが、他の複数ペアの利益を全て食ってしまう」
100回くらいあります
損切りダメージが大きいリピート系の欠点が出ていますね。せっかくの他ペアの好調な設定も台無しになってしまいます。
そこで、幅広トラップを使い、同じ予算で3種以上の通貨ペアに分散する方法もあるのではないか。という提案(感想)です。
幅広+通貨分散でさらに防御を固める!
資金を集中した通貨ペアが撃沈した時は大ダメージだからな!
等間隔トラップ1ペアの予算で、幅広トラップ2~3ペアに分散。
ここで、「調子のよい通貨ペアは、なぜ収益率が高いか」
を考えてみましょう。
?
特定の通貨ペアの調子がいい理由は主に、「ハーフ&ハーフの中央値付近か、トラップを開始した初期値付近をウロウロしているから」ですよね。
仮に、レンジ全体を3つのゾーンに分けてみます。
※矢印1本は1万通貨
あなたに現在お気に入りの通貨ペアがあるとしたら、レートが「高収益」ゾーンにいるか、それより下のゾーンから戻ってきたペアだと思います。
仮にこれまでのリピート益が大きくても、下部のゾーンにいる時は全決済がしにくいですね。これまでのリピート益の大部分が全決済時の損切りで消えてしまうからです。
通貨分散をする理由は、リスクの分散。
そして、分散先はなるべく高収益ゾーンをウロウロするような通貨ペアを狙っているはず。
このコンセプトで設定を組んでいるなら、目論見通りに高収益ゾーンをウロウロした時に最大限のリピート益が出るように、それ以外のゾーンに均等にトラップを敷かない方針もアリだと思います。
通貨分散をしつつ、リピート売買として旨味の強い部分に資金を集中するとは!
コアレンジ・サブレンジと設定を分ける手もありますが、どこがコアでどこがサブか分からないので、トラップ間隔を広げることで対処するということです。
次の項目は、順張りリピートについてです。
順張りリピートに使える可能性
幅広トラップは、順張りリピートに使える可能性もあります。
例えばドル円買いトラップを現在値で1枚持ち、円安についていきながら押し目では幅広トラップでリピートしていく方法。
「順張りでリピートすればいい」という主張を見かけることがありますが、なんとなく具体性に欠けます。
仮に、ドル円買いトラップを2円間隔で敷き、40円の円安にうまく乗れた後、元の位置まで反転した場合を考えましょう。
380万円!
最初は40円もの円安に乗れるのだから、最低でも40万円の利確+リピート益は出ていると思います。
SNSで猛アピールしようぜ!
ただ、一度反転し、トラップ間隔を2円のまま放置すると含み損は380万円に激増。もとの位置に戻っただけでおそらく大赤字です。
そこで、順張りでついていくものの、逆行するとポジションを取りにくくなる幅広トラップを採用すれば結果は異なります。
40円の反転で、含み損380万が130万と、およそ3分の1。最初の40円上昇にも乗れているのだから、被害の拡大はある程度食い止められ、他ペアの収支に迷惑をかける割合も減ります。
等間隔にトラップを仕掛ける考えを変えて、「ポジションを持たないこと」のほうが重要かもしれませんね。
40円も反転する前に逃げればいいだろ!
その意見もわかりますが、定量的ではないので却下です。下の図を見ましょう。
40円の半分、20円の反転でトラップを仕掛けるのを辞めても、40円反転してしまった場合の含み損は幅広トラップの2倍以上。
当たり前ですが、含み損は現在のレートから遠くにあるほど大きいので、天井付近にあるたくさんのポジションは含み損の大部分を占めます。
ある程度逆行した後でポジションを節約しても遅いですね。
相場観を持った順張りリピートができたとしても、それでは不十分ということか!
20円の逆行時点で全損切りを行うとしても、その額はおよそ100万円に上るため、プラススワップを選択しつつ、幅広トラップで40円の逆行を想定する道を選んでもいいと思います。
豊富な代用株がある場合、そこに格納できる範囲かなと考えます(個人の感想です)。
あらかじめ広範囲にトラップを敷くスタイルから脱却し、現在のポジション保有量に応じてトラップ間隔を広げていく。
リピート系の魅力を生かしつつ、より安全な運用を行うには欠かせない知識だと、個人的には考えています。
自動売買ではキツくなってくるな・・・!
トラップ間隔がとても広いので、自動ではなく、条件が有利な業者で1本ずつ入力しても苦にはなりません(個人の感想)。
私は一個次の新規注文と決済注文の計2個しか発注していません。
トラップ幅の広い部分ではリピートが全然発生しないな!
確かに、すべての通貨ペアが高収益ゾーン以外の位置にある場合、トラップ間隔が広いため、あまりリピート益は発生しません。
ただ、自分の身をより確実に守るためのトラップの仕掛け方は知っていて損はありません。
代用FXとの併用で、リピートが起きない時期は保有株の成長に期待しながらじっくり待つのもいいと思います。
プラススワップ方向の通貨ペア・幅広トラップ分散・代用FXの組み合わせには期待が持てると思います。
DMMFXはスワップ条件が他の代用FX可能な業者より魅力的です。
auカブコムFXは、1000通貨からの代用FXが魅力ですね。
超幅広トラップ両建て
個人の感想です
参考として、私の現在のトラップ設定・運用結果を上げておきます。
特定の通貨ペア・運用法を推奨するものではありません。
今回の記事は、同一予算であれば、含み損の拡大が緩やかな幅広トラップの分散が良いのではないか。というものでした。
クロス円の場合で30円の逆行を想定した解説でしたが、すべての通貨ペアが、30円以上の逆行をする場合も考えられます。
そこで、私は通貨分散のほかに、分散した通貨ペアのトラップ幅をさらに広げた設定で運用を始めました。
1円・2円・3円・・・・とトラップ幅を広げるもののほかに、
2円・4円・6円や、3・6・9円とトラップ幅を広げたペアも用意します。
その場合の含み損がこちら。
現在DMMFXで運用しているのはドルカナダ・ユーロポンド・ドル円の3ペア。
ドルカナダは含み損1万・2万・3万…(約100・200・300pips)
ユーロポンドは2万・4万・6万(約110・220・330pips)
ドル円は3万・6万・9万…(約300・600・900pips)と広げていくスタイルでトラップを仕掛けています。
全ペア同時に30円分の逆行を想定しながら、リピート益や代用株の購入などでその倍の全ペア60円の逆行を目指して入金していきます。
60円ラインまでの逆行は、ドルカナダなら約5500pips、ユーロポンドなら約3200pipsと、過去10年の最安値で天井掴みして底まで落ちた場合の値幅に相当します(およそ)。
個人の感想なので反対意見を唱えられても困りますが、3ペアがすべて60円ラインまで到達した場合の含み損はおよそ1000万。私の資金力で通常の精神状態でいられるのはここで限界だと思います。
これ以上の金額はレバレッジ取引に回す金額ではないと思うし、その金額なら他の運用法も検討できそうです。
FX・代用FXに回せる金額はここまでかなという判断で、幅広トラップ・3ペア・予定外のトラップの追加なしとしました。
また、過去10年の最高値・安値をカバー予定のレンジの広さを利用して、これらの3つの通貨は両建てで行っています。
例えば2023年のドル円だと、下の図のように買い幅広トラップで円安に乗りつつ、売り幅広トラップも展開しています。
成行でINしたり、スワップも含めた価格でトラップ位置を決めたりするため、正確に3・6・9万にはなっていませんが、3月の底値から15円も円安が進みました。
現在、含み損48万円に対し、買いリピート益26万・売りリピート益6万と、リピート系が苦手とする一方的な値動きながら大きな赤字は出ていません。
赤字で草
1ペアが他の通貨に迷惑をかける状態を回避しているのは評価ポイントです。
ドル円はまだ赤字ですが、それ以前に開始したドルカナダ・ユーロポンドは黒字。
下は幅広取トラップ移行後~記事作成時までの実績です。
2023年の3ペアのリピート益は約68万円です。
広すぎトラップ幅と笑われそうな、3・6・9円のドル円の利確が一番多いのは面白いですね。
リピート益で株が買える!
ちなみに、6円幅などの広い間隔の場合、利確は6円まで待たずに1・2万円で決済することも多いです。
含み損の想定が固めなので、利確方向は割と自由にやっています。
幅広両建てトラップの詳細に関しては、こちらの記事に追記していこうと思います。
幅広トラップまとめ
幅広トラップまとめ
等間隔のトラップはトレンド転換に弱いから、逆行するほどトラップ間隔が広くなる「幅広トラップ」で含み損を確実に減らす!
さらに通貨ペア分散で防御を固めつつ、高収益ゾーンでの利確を狙う!
リピート売買として魅力に欠ける部分にはトラップをあまり仕掛けない!
リピートが決まりにくいゾーンでは代用株の成長に期待!
代用FXは株の積み立てがメイン!FXはオマケ!
以上です。
1万通貨からの代用FXならDMMFX、1000通貨からの代用FXならauカブコムですね。
簡単な比較は以下の通りです。
幅広トラップに興味を持った方は、1ペアだけ練習してみるのもいいかも知れませんね。
口座開設
今後も、代用FXと、無理のないトラップ設定の組み合わせを考えていこうと思います。
幅広トラップのほうが損益率が良い場合もあったりするので、こちらの記事もご参考ください。
質問への回答
幅広トラップをはじめるタイミングに関するご質問をいただきました!ありがとうございます!
個人の感想として解説いたします。
(質問内容が分かりやすいように、寄せられたメールの文章に一部変更を加えています)
- 幅広トラップに今年こそチャレンジしてみたいのですが、中々タイミングが掴めずにおります。
① これと決めた通貨ペアで、特にタイミングを見ずに両建で始める。動いた方向についていく。
② ある程度通貨ペアを絞り込んでおき、トレンドが出たら順張りしていく。両建ては後から検討する。
どちらかというと前者が幅広トラップの考え方と言えるでしょうか。
スタート時の感じを教えていただけますと幸いです。 ①の感じが近いと思います。「トレンドが出たら」「順張り」のいずれも、はっきりしたタイミングや基準が不明です。そこで、トラップ本数が少なく、エントリーしたポイントが多少不利でも等間隔のトラップよりはダメージが軽減される幅広トラップを採用し、特にタイミングを見ずに始めています。
考えのベースがリピート売買なので、運用通貨ペアはあらかじめ決めておきます。・ドルカナダ
・ユーロポンド
・オージーキウイのように、狭い範囲をウロウロするような通貨ペアを選びたいですね。
防御力を重視し、すくみ効果や積極的な利確に期待した方針ではないので、3ペアの組み合わせではなく、どれか1ペアの採用で大丈夫です。
現在運用中のDMMFXはオージーキウイがないので、私は
・ドルカナダ
・ユーロポンド
・ドル円
の形になっていますが、ドル円に関してはトラップ間隔を3・6・9・12円と広げ、簡単には新規ポジションを取らない設定にしています。
より詳細な回答はこちらの記事でも解説しています
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