前回は、持っている株や投資信託をFXの証拠金として使うことができる、代用有価証券FXのやり方について解説しました。(代用有価証券FXの基本を解説①・代用FXのやり方は?)
制度が一番充実している(個人の感想です)auカブコムFX の代用有価証券制度を使って解説を進めています。(代用有価証券制度の比較記事はこちら)
優待・配当目的で長期保有予定の株や投資信託を、株価のある程度の下落を想定したうえで、まだ残された部分でFXを運用するなら、優待・配当・FX利益・さらに株価の上昇による利益まで得られるかもしれない!ということだったね。
でも、株のリスクとFXのリスクを両方負うことになるから危険なんじゃないか、というのが一般的な感想になるし、その通りです。
だったら、リスクをできるだけ軽減するように株・FXのポジションをとってみよう、というのが今回の記事の内容です。
結論から言うと、一部の外国株投信・ETFを代用して円売りのFXポジションを持つのが最適と思われます。(個人の感想です)
考えられるリスクを、少しづつ解消していこうと思います。
気になるところに目次で飛びましょう。
auカブコム公式の代用有価証券・説明ページはこちら。
代用株の下落リスク
代用した株が暴落するとFX証拠金評価額が減ってしまう!FXポジションが強制決済されてしまうよ!
代用除外・大幅下落
代用した株は、前営業日の最終価格(気配)の70%がFXの証拠金として認められます。
一日一回(朝)値洗いが行われ、代用した銘柄の前日の株価が下落すると、FXの証拠金評価額も下がるため、ギリギリの証拠金でFXを運用しているとロスカットの恐れがあります。
株価にはストップ安があるため、急に5割も減少することはありませんが、「代用除外」といって、上場廃止となる銘柄などは、代用から外されてしまいます。
auカブコムのインフォメーション画面。事前告知はあります。
そのほか、じわじわと株価が下落し、FX証拠金が減少していくこともあり得ます。
どうやって対策するの?
分散投資でカバー
上記のような代用除外・個別株の下落リスクは、分散投資でカバーしましょう。できれば毎月の積立投資もしておくのが安心です。
auカブコム証券はプチ株・ETF・投資信託の代用も可能なので、優待狙いの個別株をプチ株で少しづつ分散購入してリスクを減らしたり、もともと分散投資が十分にされているETF・投資信託を代用すれば、代用除外・倒産リスクを回避することができます。
投資信託は償還日が無期限のものがいい。
個別株 優待株をプチ株で少しづつ分散購入
投資信託 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
ETF MAXIS米国株式(S&P500)上場投信 (2558)
私はこの組み合わせで運用しています。現金・個別株・投信・ETFはすべてFX口座に投入し、証拠金を厚くしています。必要な分だけFX口座から取り出して売買するわけです。
投信・ETFの銘柄選定の理由は後述。
単一の銘柄だと証拠金評価額が急落する可能性があるから、いろんなものを代用しておくんだね!
特定銘柄だけでなく株価全体が急落することもあるから、FX予算は代用評価額の半分くらいを予定しておけば、安定感が増すと思います。
次に、FXポジションの持ち方を解説します。
円高・株安が危険!代用FXでスワップ狙いはヤバい?
円高・株安でリスクが2倍
いくら株・投信を分散投資しても、FXで損を出したら意味がない!
配当・優待などに期待した、長期保有目的の優待株・投信を代用するので、FXポジションのほうも、持っているだけでスワップがもらえる高金利通貨を買いで持ちたくなります。
FX評価損は一時的に発生するけど、長期にわたってスワップを受け取って、評価損を上回るほどの利益を出すんだね。
しかし、リーマンショック・チャイナショック・ギリシャショック時には、日経平均株価の下落と同時に大きく円高が進みました。
代用FXを使って高金利通貨のスワップ狙いの買いポジションを持つと、○○ショック時に円高・株安になったときに株・FXの両方で含み損が拡大し、証拠金余力が大きく減少、ロスカットの危険があります。
高金利通貨は、長期的には下落し続けているものも多い。
スワップはもらえるけど、含み損も同じくらい大きくなるから不安、と感じる人もいるかもしれません。
実際、私も2018年から持っている南アフリカランド円は受け取ったスワップポイントがランド安のスピードに追い付いていません。
私は長期にわたる高金利通貨FXに関しては(ランド円・NZドル・トルコリラでの大損経験から)懐疑的です。
・・・・
auカブコム証券はFXスワップポイントのみの受け取りができない点も、少し代用FXをやりづらくしています。
円高・株安のダブルショックが怖いので、別の方法を考えてみましょう。
円売りでFXポジションを持つ
高金利通貨FXが不安な人は、FXポジションを円売りでもつ方法があります。大幅円高になる時はドル円・ユーロ円・ランド円・トルコリラ円など、どの通貨も大きく下げるので、売りのマイナススワップが少ないユーロ円を売りで持ってみます。
記事作成時点で、auカブコム証券のユーロ円売りはスワップポイントが0円です。他社ではわずかながらプラススワップを出しているところもあり、その点はカブコムは負けてます。
※1万通貨なら1日2円ほど付きます。
円売りで利益が出るようにFXポジションを持つことで、
株・投信・ETFは基本的に長期ホールド。株価下落時に円高に振れたら、その時にはFXポジションを利確して利益をゲット。為替レートが元の位置に戻ってきたら再び売りポジションをとる、という作戦が取れます。
先ほど、ETF・投信の分散投資先として、
投資信託 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
ETF MAXIS米国株式(S&P500)上場投信 (2558)
この2つを挙げていたのは、この2銘柄(ほかにもあります)は、信託報酬が低いのももちろんですが、為替ヘッジなしで外国株に投資する投資信託だから、円安時には為替差益で評価額が大きくなるからです。
上のグラフは、優待株やETFを代用してユーロ売りのFXを行ったものです。株の評価損が大きくなったときに、FXが好調なのが分かります。
株・投信は円安に有利な銘柄を選択し、FXは円高に有利なポジションをとることで、資産のバランスをとるんだね。
運用方針が固まってきたね。株・投信は配当・優待狙い、FXは円高時の決済利益狙いか。
損切りはしないのか
してもいいです。
繰り返しますが、FXのポジションの持ちすぎは厳禁です。仮に株価が半値くらいになっても問題ない程度の予算でポジションを立てるほうがいいと思います。
例えば、「2万円分の株・投信の代用に対し、1000通貨までしかFX売りポジションを持ってはいけない」ルールにすると、その1000通貨の売りポジションは円安がおよそ13円進んでも大丈夫です。
300万円もってたら15万通貨までか。
13円以上円安が進んでしまったFXポジションがあるなら、2万円分の株の売却に対し1000通貨ずつ損切りしていってもいいです。
FXポジションも一気に持たずに少しずつ追加したほうがいいね!
投信・ETFなら1口づつの売却が可能なので、個別株より損切りの小回りが利きます。
まとめ
代用有価証券FXの基本を解説②はここまで!
円安時に為替差益が出て証拠金が厚くなるMAXIS米国株式(S&P500)上場投信 (2558)を代用して、マイナススワップが少ないユーロ売りFXの組み合わせがひとつの例です。
・・・というのが今回のまとめです。しかし、
円高・株安は今だけの話かもしれない。円安・株安だったら株とFXのダブルショックだろ!
というリスクも抱えています。
株とFXで評価損のバランスを取っただけでは利益は出ないだろ!FXの利確ポイントはどこなんだよ!
という疑問ものこります。
次回「代用有価証券の基本を解説③ 手動トラリピで大損回避!」では、それを少しでも解消するための、もう少し詳しいポジションの持ち方を考えてみようと思います。
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特定の銘柄・投資手法を推奨するものではありません。