持っている株をFXの証拠金として使い、現金を使わずにFX運用ができる代用有価証券FX(株券担保FX)。
当然のことですが、FXポジションの損切りを行うと現金でマイナスが発生します。
では、代用した株のみでFX運用をした場合、FXポジションの損切りによって現金で不足金が出た場合はどうなるのか。
株が100万円・現金が20万円口座にあるが、保有する現金を超える30万円分の損切りを今すぐ行いたい場合もあるかもしれません。
株100%で代用FXを行っているけど、発注ミスで1000円だけ現金で確定損失が出た場合とか!
代用株の評価額のおかげで維持率は十分にあるが、現金が不足してしまった場合において、各社の対応が異なっているため、記事にしたいと思います。
結論から先に書いておくと、
auカブコム 不足した現金を午後3時までに入金⇒ダメならFXポジション全決済
マネーパートナーズ 不足金額の2倍以上の純資産があれば取引は継続可能
DMMFX 維持率が100%を切るまで取引を継続できるが、追証時の入金が間に合わなければ株を全量売却
詳細を見ていきましょう。
代用有価証券FX・株券担保FXを推奨する記事ではありません。
auカブコムFX
auカブコムの取引ルールは以下の通り。
長いな・・・
代用有価証券FXに関わる部分の要点をまとめると、
・FX追証の判定は営業日の朝に行われる。
・「総額追証」と「現金追証」があり、「総額追証」は代用した株の評価額の低下によってFX維持率が100%を割っているもの。「現金追証」はFXポジションの決済(損切り)によってFX口座内の現金部分がマイナスになってしまったもの。
・不足分の現金はFX口座の外、株の買付けにも使う「お預り金」から強制的に振り替えられる。
・同日午後3時30分時点でマイナスが継続すると新規取引停止、カブコムの判断(事前通知なし)でFXポジションの強制決済もあり
カブコムの特徴から考えられること
株価の下落に備え、十分な額の代用株で代用FXを行っていたとしても、現金部分が不足すればFXポジションの強制決済があり得る。
(代用株1,000万円・現金0円の状態で代用FXを行い、FXの損切りが1万円発生した場合も「現金追証」になるから)
株はたくさんあるけど現金がちょっと不足して「現金追証」になる状態を放置するとどうなるかをカブコムに確認したところ、以下の回答を得られました。
一定期日放っておくと株の方も強制決済されるようです。
ややこしくなってきたんですが。
見落としがちな点は、カブコムで代用株100%・現金0円で代用FXを実行した場合、
大量の株を代用し、FXポジションを極限まで抑えて、ロスカットがほぼあり得ないようなリピート戦略を建てたとしても、FXポジション決済時にマイナススワップが決済益を上回っていたら現金不足。
入金が間に合わなければ、わずかな額の現金不足が全てのFXポジションの強制決済を招く可能性があります。
FX証拠金維持率がいくら高くても関係ない点は注意ですね。リピート系売買で全決済を繰り返すのは論外です。
「現金不要のFX」という、入り口だけ広くしたような宣伝には注意ということだな!
auカブコムで代用FXを行う場合は、株の暴落に備えたFX運用計画の他に、一定量の現金をFX口座に入金しておいた方がいいですね。
現金50%・株50%の比率で運用するなど、代用株に頼りすぎずに運用するのも分かりやすくていいと思います。
auカブコムには現金も入れておくこと!
マネーパートナーズ
マネーパートナーズの取引ルールは以下の通り。(代用FXは1万通貨から)
わかんねえよ。
「受け入れ証拠金のマイナスの額に対する純資産額の割合」?
マネパの特徴をまとめると、
FXポジションの損切りによって現金不足が生じた場合、毎月月末に、そのマイナスの額が純資産額の50%以内であれば現金の入金は不要。
50%を上回ると入金か、追加で株を代用しなければならない。
知恵熱を出している子もいるんですよ!
「現金が無くても損切りできる」という事になります(非推奨)
分かりやすく、代用株100%で運用した場合を考えると、
100万円分の代用株評価額があって、リピート売買中の含み損が40万円あるとすると、純資産額は60万円。その50%の30万円までなら損切りができるということ。
損切りした後は代用評価額100万円・含み損10万円・現金不足30万円になります。
いずれ、リピート益で損切り分が埋まる可能性はありますが、それは代用FXのメリットとは言えません。
ここから株価が下落したり、FXの含み損がさらに拡大すれば、追加入金か代用株を追加する必要があります。
auカブコムの特徴も踏まえ、不足金の割合がさらに増えた場合にどうなるのかを問い合わせたところ、以下の回答が得られました。
毎月月末に50%を下回っていたら、翌月15日までに追加入金もしくは追加で株を代用するよう要請。
不可能ならばマネパの判断でマイナスが解消されるように強制売却。株の口座・nano口座から現金を引き抜くことは原則として行わない。
カブコムと比較して、「維持率が高いのに当日中の入金が必要な時がある」「マイナススワップ・発注ミスでうっかり現金不足」という事態にはなりませんが、それがメリットではない点に注意です。
入金時間・維持率・微細なルールでギリギリの攻防をする時点で運用計画は破綻していると思うからです(個人の感想です)
不足金が発生し次第、現金を入金するか株を一部売却して埋め合わせたほうがいいと思います。
時間的に猶予があるね。無理は禁物だけど。
マネーパートナーズでは、万が一の時に売却する株を決めておく!
「FX部門の含み損は資産全体の10%以下に抑える」
「含み損の大きな個別株から売却する」
「株式とFXの年末の損出しを同時に行う」
など、ルールを決めておく手もあります。
DMMFX
DMMFXの取引ルールは、問い合わせメールの回答が分かりやすかったです。
全株式を売却!
仮に、代用有価証券のみでFXを行っている場合、FXポジションの損切りをして現金不足になっても、維持率が正常であれば株式の強制売却は行われない。後はFXのルールとほぼ同じ。
FX取引日のオープン時点で維持率の判定を行い、100%を下回れば追証発生。同日15時までに入金・もしくはポジションの決済が必要。できなければFXポジションを全て強制決済。(その他・為替急変時など、維持率50%未満による強制ロスカットもあります)
https://fx.dmm.com/fx/aboutfx/losscut/
強制決済後に現金不足が生じた場合は、翌国内株式営業日までに入金をしなければ株式は全量強制売却。
auカブコム・マネパと違い、維持率が100%を切るまでFXの損切りを許容しているようですが、これもメリットではありません。維持率ギリギリまで耐えても、ロスカットされたときに失う所持株が多くなるだけです。
株の評価額の70%を証拠金としてFX口座の維持率が判定されているため、株の全量売却後に現金が残る場合もあると思いますが、運用計画は失敗しています。(個人の感想です)
ルールが緩い=自分に有利、ではないからね!
DMMでも油断はできない!ポジションの持ちすぎ厳禁!
まとめ
代用FXを開始するにあたり、資金効率・利回りばかりに振り回されるのではなく、万が一の時の細かいルールも知っておく必要があると思います。
代用FXのメインは株の部分で、FXはオマケと考え、
十分な量の現物株式を代用して
一定量の現金を口座に入れ
無理のないFX運用計画が必要だと思います。
私は現在、代用FXの運用を、
・通貨分散
・不利な方向へのポジションをも持たないようにする幅広トラップ
はもちろんのこと、上記の要素に追加して
・現金50%・代用株50%のバランスで運用
・リピート益はNISAで株を購入する予算とし、FX部門以外に資金を逃がす
方向で運用を進めています。
以下の記事は、運用中に気づいたこと・注意点などが満載の記事ですので、ぜひご覧ください。
予算もはっきりしないまま、なんとなく伸びそうな株に、流行りのリピート設定を乗せることは避けようと思っています。
慎重に代用有価証券FXの運用を続け、気付いたことなどを発信していきたいと思います。
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