FX・トラリピが初めての人にありがちな、年末の悩みについて解説するよ。結論から言うと、含み損と利確のバランスについてです。
年末の税金(知ってる人は飛ばしていい)
FXに限らず、株でも、小さな利益を積み重ねていくタイプの投資をしている人は、年末に含み損をそのまま次の年に持ち越すか、すべて決済して今年度の利益を確定するかで迷うはず。
なんで?
会社員などでFX等の確定利益が20万円を超えた、自営業・主婦・学生等で38万円を超えた場合、確定申告を行い税金を支払わなけらばなりません。税率は20.315%です。(2019年度)
詳しくは国税庁のホームページか、証券会社のホームページで。
例えばFXで、年末にすで決済した50万の確定利益とまだ決済してない50万の評価損を持っていた場合、トータルで今年度の利益は出てないけど、確定利益の方にのみ税金がかかるから、約10万円納税しないといけない。そのせいで10万円の赤字になる。
ひどい!税金!
だから、
① 年末に評価損をすべて決済して利益を0円とし、税金を発生させない。
② 含み損は来年回復するかもしれない。今年度赤字でも10万は払う。
の2つの手が考えられます。
単純に考えたら①だけど。もしくは一部の損切。
特にトラリピに関しては特有の事情があるから、今回はそれを説明します。
トラリピが気になる人、始めて間もない人の他に、トラリピ歴が長い人に共感してもらいたい記事でもあります。頑張ってまとめてみます。
トラリピの年末の悪魔とは
トラリピ1年目の人の気持ちになりましょう。
実際の私の2018年のトラリピの実績を使って説明するよ。
ここから、
ここまで。
これはなに?
これは、2018年の私のFX・南アフリカランド円買いの手動トラリピの結果(一部)です。トラリピの基本に関しては以下の記事。
完全に手動で新規・決済注文を出していたから金額に誤差があるけど、ランド円10000通貨を、0.1円幅でポジションを持ち、約1000円の利益が出るようにルールを決めていました。(スワップポイントの話は少し待ってください。)
3月1日から12月22日までに、約1000円毎の利確を繰り返して、34,177円の利益が出ているね。リピート回数は約35回かな。まあまあいい感じ。
それが、そうではないんです。
もう一度表を見てください。約定値段の部分。3月には8.999円だったランド円が、12月には7.623円に下がっていることが分かります。
1.3円下がってるね。
分かりやすく、ランド円を0.1円幅でトラップを仕掛けて、9.000円から7.600円まで円高が進んだ場合、年末に残るトラリピのポジションと評価損はおおよそ以下の通り。
34,000円の利益に対し、評価損がその3倍!ポジション維持に必要な証拠金もかなり大きくなってる!
ダメじゃん!
うまく同じ価格を上下すれば評価損はあまり出ないけど、円安、円高が一方的に進むと、評価損が急激に大きくなって、今ポジションを全決済すれば大損。これがトラリピのデメリットです。
そして、ほとんどの人はこう思います。
そもそも為替が1年間同じ位置にいる方が稀なので、大体は多くのポジションと、評価損が残ってしまいます。
トラリピの悪魔想像図
悪魔その1 今年度はトータルで損をした。
悪魔その2 人によっては、損してるのに、さらに税金を納めに行く。
普通の感覚なら辞めたくなります。
そして、周りからもいわれます。FXをやっている人からも。トラリピを過去にやっていた人からも。ネット上でも。
出ました。悪魔その3、トラリピの真の悪魔、「周囲の声」。
投資手段のひとつなのに、えらい言われようです。
はじめての人はここで大体やめてしまうと思います。仲間が少ないから。「投資法は十人十色!」と言いながらなんか周りが冷たいから。
実際損失が出ていて周りの意見もそれじゃあ、そう思うよね。
まとめます。
① トラリピは初年度は評価損が出ている場合が多い。
② トータルで損失の状態でも納税が必要な場合がある。
③ 評価損の分と、ポジションを持つための証拠金両方が必要になり、拘束資金がかなり大きくなる。
④ さらに為替が損失を増やす方向に進む可能性がある。ロスカットの危険。
⑤ FXやらない派、トラリピ否定派の声が聞こえてくる。
正直、否定派の人たちが「やめとけ」の4文字で済ませたくなる気持ちもわかるよね。少なくとも初心者向けではないよね。確かにレバレッジをかけた取引は危険だし。
投資初心者に「トラリピやれ」とは簡単に言えないよね。実践編でも、投資資金が貯まってからの実行、もしくは手を出さないことをお勧めしています。
でも、覚えておいてください。
①~⑤、これらはすべてトラリピに関する無理解から来ています。
トラリピは長期投資。それもかなりの期間の。次の項目で説明します。
トラリピは長期投資
さっきの表は2018年度。34,000円の利益に対し、100,000円の評価損。私はコレを検証・記事作成のために2019年に持ち越しました。
実践編のユーロ売りとは趣旨が違うため、毎月の運用報告の記事に、この検証用ポジションの金額は入っていません。年末にまとめて発表しようと思います。
2019年の1月から記事作成時までの途中経過です。
上が確定利益、下が評価損。(カブドットコムFX取引画面のひとつ。手動トラリピなので本家マネースクエアで行う必要はありません。)
最初に出できた表から、今年の1月の南アフリカランドは7.623円、9月には7.329円。※8.049円は取得平均単価。
さらにランドが下がってる・・・・!でも・・?
今年の利益は現段階で約35,000円。10万円あった評価損は約25000円減少している。
評価損はなんで減ってるの?ランドは下げてるのに。
南アフリカランドのスワップポイントが毎日加算されているのと、手動トラリピにしているから急落時にポジションを増やしていないせいだよ。全部自動にすると、計算上は約19万通貨分のポジションが残るはずだけど、実際は15万通貨分で済んでるね。
ポジションが2割程度節約できてる!
記事で言うとこれ。さっきと同じ。
ここからだよ。
去年の34000円と、今年の35000円、そして、約75000円に減少した評価損。あくまでも今回の検証の場合ですが、ここで初めて、利益が含み損に追いついてきました。1年目で辞めた人は65000円損しただけです。1年目の年末にすべて決済して、2年目に改めて始めた人も40000円の損。
去年から損失を引き継いだ人だけがここまでたどり着きました。
単純にはいかないけど、あと1年くらいで完全にプラスになる可能性は十分にあります。そして、トラリピの真価が発揮されるのはここからです。
① 南アフリカランドが高くなったら評価損は劇的に減る。
② 同じ価格帯を上下した場合でもトラリピは機能するため、損失は減っていく。
③ さらにランドが下がってもトラリピは機能するため、時間をかければトータルの利益は出てくる。
確定利益が評価損を上回ってからが面白い。トラリピを仕掛けたレンジ内にいるなら、利益しか生まないから。
毎日の細かな利益を楽しく…っていうのは実は数年後からなんだ。株と同じ、長期目線だよ、絶対。始める人はその辺を頭においてね。
逆に、最初の1・2年での利益なんか幻、あなたの勘違いです。始めるなら数年間続けることを考えてね。
問題点と、何か対策は?
実は問題点はひとつなんだよね。証拠金不足。対策は、
① 何円為替が動いたら評価損がどのくらい拡大するか、さらにそのポジションを維持するための証拠金はいくらかかるかを、正確に計算しておく。
② 評価損の急拡大は当然のこととして受け止める。あくまで長期目線。
③ 最初に決めたルールはむやみに曲げない。特にポジションを増やすようなルール変更は行わない。
これだけ。
②の所が、トラリピをやってない側からみると意味不明なんだと思うよ。例えば「60万の評価損を1000円ずつ返して何が嬉しいの?」みたいな。
つらいよね、周りの反応。
投資信託の20年積立だったら感心されるのに、FXには理解がない。レバレッジのせいだね。
トラリピを長期で考えている人には言えます。
まずは少額で仕組みを練習!必要証拠金のおよその計算とか、説明だけでは伝わらない部分もあるし、向いてなかったらやめる必要もあるよ!(投資判断は自己責任でお願いします。)
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おまけ!トラリピ経験者あつまれ!(相談室)
ゴメンね!ここからはトラリピに慣れてから読む記事だよ!
・・・あの。
・・・?
私が実践編でカブドットコムにこだわる理由なんだけど。
複数の口座を持つのがめんどくさいからじゃないの。
じつは、カブドットコムの「代用有価証券制度」(リンクはカブコム公式サイト)、持っている株式をFXの証拠金の代わりに入れるやつだけど、ちょっとカブコムには特徴があるんだ。
建玉の証拠金だけでなく、含み損に関しても適用される。
・・・?
全ての証券会社を調べたわけではないけど、代用有価証券制度は他社でもやってて、基本的にその代用した株はポジションを建てるための必要証拠金にしか使えなくて、評価損に関しては別に現金を入れておく必要があるんだけど、カブコムは要らない。
ちょっと見てほしいんだけど、これは過去の私のFX取引・証拠金余力。評価損が-467170円に対し、現金残高が1687円。ロスカットではない。
1部他社では467170円の現金を差し入れないとロスカットになるのに対し、こちらは余裕。
株式を代用した分の146万円分だけで手動トラリピを稼働させていることになります。現金が必要ない。上記の記事のランド円で、150万程度の株式を代用するなら0.1円幅のトラップを敷いても、5円分くらいの下落に耐えられるはずです。
株の配当、株主優待の権利は消滅しません。高配当株や、株主優待目的で、売るつもりのない株をココに入れてます。
実はトラリピ長期投資の最大の難所である、発生するんだかしないんだか分からない証拠金・評価損を、すべて売るつもりのない株に担当してもらう。
証拠金に余裕があると、ついつい余計なポジションを持っちゃう!
注意! 現金がないと損切はできないので、損切はしない覚悟が必要です。どうしてもしたいときは、代用した株の一部を代用からはずし(パソコン画面ですぐ)、売却して現金化、それをFX口座に移して損切します。
150万の株でトラリピ益が上記記事のように年3万程度出るとして、年利は2%、そこに株式の配当、優待をゲットした時の利回りを考えると、資金効率はかなり改善されるはず。
長期保有目的の高配当株・優待株を積み立てつつ、FXポジションを少しづつ大きくしていく作戦です。
まさかのレバレッジ規制にも対応できる可能性も含みます。
私はFXをユーロ売りでやってます。同時株安の時は円高になりやすいからです。株価低迷の時にトラリピの決済があるため、必要証拠金が減るからです。
株式を担保にFXを…と言った瞬間に周りの人からヤバイ奴に思われるので、ブログを立ち上げて仲間を探しています。
すでにご存じの方のおられるかもしれませんが、「トラリピに出口はない」と思っている方、かつ、優待・高配当株の長期保有を狙う方には、
ということを伝えたかったです。両方楽しめて資金効率もよくなるかも!
本家トラリピ派・EA派・手動トラリピ派・スワップ投資派など、FX長期保有派の質問・御意見を広く聞きたいと思っています。コメント、DM、検証好きの方の実践報告大歓迎!
カブコムにはトルコリラもあるよ!
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