代用有価証券FXの基本解説③、手動トラリピとの相性を解説します。
前回の解説記事もよろしくお願いします。
結論から先に言うと、
・代用FXに最適なFX手法は、手動トラリピ。
・理由は、トラリピは常に含み損を抱えながら細かい利益を積み重ね、トータルで収益をプラスに持っていく手法であり、その常に発生している含み損を売るつもりのない代用株に受け持ってもらうことができるから。
・代用FXは、FXポジションの損切り時には結局現金が必要になるため、勝ったり負けたりの裁量トレードではなく、原則損切りをしない手動トラリピと相性がいいから。
個人の感想です。
気になる項目に目次で飛びましょう。
前回のおさらい
前回の記事「代用有価証券FXの基本を解説② 代用株のリスク回避とFXポジションの取り方 」では、
代用有価証券制度でFXを運用する場合は、長期保有目的の優待・高配当株を代用するのと同時に、円高・株安のダブルショックを防ぐため、
投資信託 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
ETF MAXIS米国株式(S&P500)上場投信 (2558)
などの、円安で為替差益が出る投信・ETFを代用し、かつ円高で利益が出るFXポジションを持ち、お互いをカバーするのが望ましいのではないか(個人の感想です)。というお話でした。
仮に株価が半分になってもまだ残る部分を、FXの証拠金として使ってはどうか、というお話だね。
個別株・ETF・投信は基本は長期ホールドで配当・優待を狙う。FXは円売りポジションを持って、円高になったら利確。レートが元に戻ったら再度ポジションを立てるのが基本戦略です。
株は円安目線、FXは円高目線でポジションを建てて、株・FXで同時に大ダメージを受けるのを避ける!
問題点
上記の方法で、ある程度手元の資産の安定を図ることができますが、まだ問題点があります。
① FXのエントリー、利確タイミングはどうするのか。思いっきり下で売りポジションを持ったら永遠に利確できない可能性がある。マイナススワップも付いたら最悪。
② そもそも円高と株安が同時に起こるとは限らない。円安・株安でダブルショックになる可能性も当然ある。
株のほうは配当でいずれ挽回できそうだけど、FXのほうはレバレッジがかかっているから大変だね。
これらの問題点を少しでも解消しようと思います。
解決策・手動トラリピ
FXのポジションの取り方は?
代用した株・ETF・投資信託に関しては、毎年の配当があり、分散もされているため、一時的に価値を下げても長期で収支は回復していくと思われます。
しかし、FXポジションのほうはそうもいきません。
代用した株を使って、仮に1ドル110円で売りポジションを持った場合、ドル円が115円まで上昇してそのまま戻ってこなかったら、ドル円の売りポジションは全くの無駄だからです。代用FXの意味がない。
マイナススワップまで取られる・・・
どのタイミングで円高になっても、一定量の利確をすることができるFXというと、トラリピ。
トラリピは為替の一定間隔ごとにポジションを建て、利確できる部分は利確。レートが元に戻ったら再びポジションを建てる。これを繰り返す手法です。レンジ相場で利益が大きくなります。
本家トラリピではないので、自分で指値を建てる手動トラリピになります。
もう一度言いますが、トラリピは含み損を抱えながら、細かい利益の積み重ねで含み損を挽回する方法で、かなりの長期目線になります。
その代わり、5年・10年の単位では円高・円安の予測が間違っていても利益を出すことができる。(必ずではありません)これが重要です。
含み損前提のFX手法なんだね!
最初に発生する含み損は代用株に受け持ってもらいつつ、株とFXの両方で長期運用を行います。
2年前から続けている私のユーロ売り手動トラリピも、2020年2月現在、25万円程度の含み損を抱えていますが、2019年度で買い決済の利益が50万円確保されており、現在抱える評価損は全く問題ありません。
スワップが気になるので、私はユーロ売りの手動トラリピを0.25円間隔で行っています。
最初は株・FXでお互いの損失をカバーする形になりますが、長期的には双方がプラスになるように運用を目指します。それなら代用有価証券制度に大きな意味が生まれます。
特にFXのほう、余裕資金に応じてlotを変えるような裁量取引は、将来的には1度きりの失敗で今までの努力が水の泡になる危険があるから、原則やらない・やるときは業者を変えて別予算がいいと思う。
まとめ
ここまでの内容と、メリット・デメリットをまとめよう!
やり方
auカブコム証券で、
① 長期で配当によるプラスを目指すため、株・ETF・投資信託を購入する。(円安で為替差益が出るものが望ましい)
② その価値は急にゼロにはならないから、それを代用してFXの証拠金にする。
③ その証拠金を使い、含み損を抱えながら長期で利益を出す手動トラリピを円売りで行う。
意外と単純だね。極端な話、ETFが1種類(2558)と、FXのドル円売りだけでいいね。
メリット・デメリット
◎ もみ合い相場ならFX・手動トラリピが利益を出し続ける。
〇 円高・株安ならトラリピの利益が出る。株・ETFはもともと配当金目的なので含み損は幻。
〇 円安・株高ならETF・投信の評価額がアップしてFX証拠金が厚くなる。FXのポジションと含み損は増えるが、トラリピはそもそも含み損前提の手法である。
〇 円高・株高ならダブルの利益。
△ 円安・株安でダブルのダメージを受けるが、ETF・投信の為替差益によりFXの証拠金評価額はちょっと上がる。FXのポジション・評価損は増えるが、長期トラリピで円安による含み損を挽回することができる。
実際に運用してみた、~2020年度の実績です。
株価の下落をFXでカバーできています。
4月以降、メインで運用しているユーロ円売りでユーロ高が大きく進んだため、パフォーマンスは悪化していますが、リピートは続いているので収支は徐々に改善しています。
唯一のデメリット、大幅に円安・株安が一気に進んだ場合に備え、FX予算は代用した株の評価額の半分くらいを目安にしたほうがいいと思う!
あまりにも円安が進みすぎたら、ETFを1口ずつ売却したお金でFXを1000通貨ずつ損切りしたり、相場が元に戻るまで新たなFXポジションを建てないという手が使えるよ!
円安に続くならETFに為替差益が乗るから、新たなFXの円売りポジションはむしろ邪魔だよね!
裁量取引を排除しているのもポイントです。
代用有価証券FX解説③ はここまで!
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