2020年6月7日追記
先に結論!
「代用有価証券制度」という、現物株をFXの証拠金として差し入れることのできる制度がある。
配当・優待目的の長期保有株を持っているなら、貸株よりも高金利通貨FXの証拠金として利用したほうが資金効率が高まる。
auカブコム証券とマネーパートナーズなら、完全に現金ゼロでFX運用ができる。
株の資金だけで、配当・優待・スワップ益を同時に受け取れる可能性がある。
気になるところに目次で飛んでください。
優待株の売り買いのタイミングが分からない!
お気に入りのイオン(8267)の株主優待、含み益が結構出てきたけど、3%のキャッシュバックが優秀だから、利確ができない・・・
2018年は、税引き後で2551円の配当金と、7000円くらいのキャッシュバックを貰いました。
優待・配当3年分くらいの含み益が出ているのか・・・
2018年は買った時と比べて1.5倍、9万円くらいの含み益になっていた瞬間もあったんだけど、それでもキャッシュバック用のオーナーズカードを持ち続けたいから、利確できなかった。
十分含み益が出ても利確できないんだ。
200株持っておいて、100株だけ売り買いするとか、NISA口座と特定口座に分けて持ち、短期売買用と長期保有用に分けることもできるけど、資金が2倍必要だよね。
そうすると、この問題が出てくるね。
うっ・・・
みちのく銀行(8350)、2018年は税引き後配当が3188円と、3000相当のカタログギフト。
優待・配当4年分くらいの含み損が・・・200株持つのは怖いなあ。
地元企業だし、手放す気はないよ。長期ホールド。当たり前だけど、優待品は消費すると無くなっちゃうから、配当でじわじわ口座残高を増やした方が安心するんだ。
こんな時のために、優待+配当の両方がある銘柄の方がいいね。
じゃあ、これ。
TBK (7277)、トラック・バス等のエンジンやブレーキの会社だね。1年以上所有していると、クオカード500円。(500株以上で米2㎏、1000株5㎏)2018年の配当は税引き後1600円。
1年以上継続保有の条件があるし、含み損も出してないから、そのまま所持かな。
つぎはこれ。
N・フィールド (6077)は、税引き後400円の配当と、2000円分のクオカード。23年ホールドすれば助かるね。クオカード優待がなくなったら138年かかるけど。
うわあ・・・
「完全に売り時を逃している」「損切りしろ」っていうけど、タイミングが分からないよね。徐々に株価が下がっていって、明日こそ上がるかも!って毎日思うわけだから。
マイナス47%まで来たら、もう50%切れよ。みたいな気持ちも少し出てくるよね。
出ねえよ。
つまり、上がっても下がってもそのままでも、売り時がつかめない!どうしたらいいの?
貸株金利は低いしなあ・・・金利が高いのは一部の銘柄だけだよ・・・
代用有価証券制度っていうのがあるんだ。罠付きだけどね。
代用有価証券制度の罠
代用有価証券制度は、所持している株式を、先物・FX取引の証拠金として使える制度です。
以下の図はカブドットコム証券(auカブコム証券に変更予定)の公式サイトから。
カブドットコム証券や、SBI証券で行われている、現金ゼロ円でも、株式・投信を担保に先物やFXの取引が可能なサービス・・・と表現されていますが、私の個人的な感覚では、この説明は事実ではありますが、重要な要素が抜けています。
この制度はあまり役に立たない。
お?
例えば、株価下落に備えて、日経平均先物ミニを1枚、売り(日経平均が下がると利益が出る方)で注文したとします。
この際、取引に必要な必要証拠金は約60,000円(変動あり)。これはポジションを解消すれば返ってくるお金です。あくまでも、この60,000円の証拠金の部分を株式で代用できるだけです。仮に、日経平均が上がって、ポジションに評価損が20,000円出てきたとしたら、その20,000円に関しては現金で入金しておかなければいけません。
ちょっとでも評価損が出れば代用した株以外に現金が必要になって、「現金0円で取引」が成り立たないんだ。
じゃあ、証拠金の60,000円くらい、株じゃなくて現金で用意すればいいじゃん。
そのとおりです。
先物・FX取引は、少ない証拠金を入れてその何倍ものポジションを動かす取引です。利益も損失も何倍にもなるから、支払いきれないほどの損失を出すことがあります。
日経平均先物ミニの売りポジション一枚でも、日経平均が1000円上がったらその100倍、10万円の損失が出る、リスクの高い取引です。
危険なのは証拠金ではなく、取引中に生まれる評価損のほう。それなのに、もともと少なくても済む証拠金だけに注目して、現金ゼロ円でも取引可能と言い、評価損の事には触れずに、先物短期売買の話までしている。
つまり、ほとんど先物取引をおススメしているだけ。先物取引に誘導する罠に近い。
ダメじゃん。
各社の代用有価証券の比較をしているサイトでも、そのことには触れていませんでした。おそらく、証券会社のサイトの説明をただまとめただけだと思われます。
それでもいろいろ探してみたところ、いいものを見つけました。
カブドットコム証券のFX取引は違っていた(マネパも)
代用有価証券制度、先物・FX取引の証拠金として使えますが、評価損にまでは適用されないので、ほとんど役に立ちません。しかし、
カブドットコムのFX取引・シストレFXと、マネーパートナーズは、代用有価証券の評価額が、きちんとFXの評価損にまで適用されました。
大切なことです!
さすがに評価損を決済するときにはその分だけ現金が必要になりますが、決済しないうちは、評価損でいるうちは現金は要りません。100万円の株式を入れておけば、100万円までの証拠金+評価損に耐えられます。
全ての証券会社を調べたわけではないですが、カブドットコムだけは確実です。マネーパートナーズは10000通貨取引からで、ちょっとハードルが高い。楽天証券はFX代用はまだできません。(記事作成時・今後代用可能になる予定)
もう一度言います。カブコムなら、代用有価証券の評価額が、FXの評価損にまで適用される。決済するまでは、現金がゼロ円でいい。
だから・・・?
超低レバレッジFXで配当金ブースト!
カブドットコム証券に、優待目的・高配当株の配当金再投資のため、売る予定のない・売れない株がある方が使えます。
現金を全く使わずに、持ち株だけで、超低レバレッジでFXの高金利通貨を運用し、利益を上げることができます。
高配当株を例にあげます。
あなたが、分散投資でもいいので(プチ株でも可)計100万円分の株式を持っているとします。配当は年3%と仮定。
1年に3万円の配当だね。税金を引かれると2万4千円くらいかな。
この株式は、配当金・配当金再投資目的のため、多少価値が低くなっても持ち続けると強く決意したとします。
うん。決意した。配当金再投資もする。
この100万円分の株式を代用有価証券として差し入れます。株価の70%が代用有価証券の評価額として認められるため、70万円分の証拠金として使えます。
ここで、株価が80%下落したとします。
はあ?
ハイレバFXではないことを証明するためです。
70万円から80%下落。でも、まだ14万円分価値があります。
劇的な暴落を想定した後の14万。この金額をもとに、記事作成時で約7.3円の南アフリカランドを20000通貨、FXで買いポジションを建てます。必要な証拠金は6000円程度です。
更に、南アフリカランドが80%以上暴落、約1.3円まで大暴落したとします。
助けて!
20000通貨が約6円下落したら、評価損は12万。しかし、カブコムのFX代用ならセーフです。証拠金の範囲内です。まだ証拠金が1万円ちょっと残ってます。
ここまでの大暴落を想定してまで建てた南アフリカランド20000通貨、記事作成時ならカブコムでは1日16円のスワップポイントが付きます。16円×365日で5840円。
100万円で年利3%の配当を、現金を全く使わずに、年利3.584%まで引き上げることができました。
へー。
+0.584%、結構大きい数字です。配当金と違い、スワップポイントは利確するまで税金はかかりません。
さすがに株価と為替80%減はやりすぎじゃない?
ハイレバFXだ!という批判は、さすがにないと思います。エントリー時の証拠金維持率は約11666%です。
高金利通貨は基本下落していくため、長く見れば8割減でも全く驚かないのですが、もし株価の下落を50%程度と甘く(?)見積もるなら、その時の証拠金評価額は35万。南アフリカランドは80%減の想定のままにすると、50000通貨まで買いポジションを持つことができ、スワップポイントは40円×365日で14600円。
100万円の年利3%が、4.46%までアップしました。
減配リスクのヘッジっていう考えでもいいね。
高配当株を積み立てて、配当金生活を夢見る人には、わずかな利回りアップでもけっこう魅力的だと思います。株主優待派にも、優待品以外の利益が嬉しいです。
株価・為替の大暴落を想定したうえで、売らない予定の株を使った、超低レバレッジFX。これなら買いポジションを持った後は放置でいいです。逆に、放置の方がいいです。不要なFXポジションは退場の原因です。やめてください。
個人的には、
① 優待株・高配当株・連続増配株を物色
↓
② プチ株で銘柄を分散して売り買い
↓
③ 100株貯まったお気に入り銘柄のホールドを強く決意(重要)
↓
④ 代用有価証券として差し入れ
↓
⑤ 代用金額に応じた高金利通貨買い
↓
⑥ 配当・優待・スワップポイントゲット(楽しい)
↓
⑦ 配当でプチ株買い。②に戻る
のサイクルが回っています。運用額がまだそこまで高くないので、サイクルのはじめに「毎月の入金」「Tポイントで端株買い」が入ってます。
プチ株も代用できるんだよ!NISAで買い付けたものはダメです。
「株は売らない」という強い決意
カブコムの代用有価証券FXの特徴
株価と為替の大暴落を見越したうえで、まだ使える部分
この3要素を利用した、現金ゼロでの「スキマ投資」で利回りアップ!私は検討する価値があると思います。
FXは、投資した金額以上の損失を出す可能性のある取引です。証拠金に十分な余力を持った取引をおススメします。特定の投資法を推奨する記事では決してありません。
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