所持している現物株・ETF等をFXの証拠金として差し入れることのできる、代用有価証券制度。
長期ホールド予定の株をFXの証拠金にすれば、配当・優待をもらいながら、予算ゼロ円でFX運用ができます。
ただ、
株でもFXでも損したらどうするんだよ!
リスクが2倍になってるだろ!
という方のために、
代用用有価証券を使ったFX(以下・代用FX)にとって
最適な証券会社
株の銘柄
FX通貨ペア選定
予算管理・運用を安定させるコツ
ピンチ時の緊急回避方法
利益の再投資法など、
2年以上の代用FX運用経験で実際に役に立った知識を紹介したいと思います。
生き残り重視の手法でありながら、大きな利益も狙います。代用FXを始める前や、始めたばかりの場合はピンとこない部分もあるかもしれませんが、困ったときにこの記事に戻ってきてくれると嬉しいです。
気になるところに目次で飛んでほしい・・・ですが、全ての知識がひとつに繋がっている側面もあるので、じっくり読むのをお勧めします。
個人の感想です
代用有価証券FXならカブコム・マネパ・DMM
まず、代用FXをするなら、『auカブコムFX 』か『マネーパートナーズ 』・『DMM FX 』です。
代用有価証券制度のある証券会社のうち、FX運用中のポジションの含み損も代用株で耐えることができるのはこの3社だからです。
他社ではFXポジションを持つための証拠金に代用株が使えるだけで、ポジション保持中に発生した含み損の分は現金を入金する必要があるため、それが不要な業者を選択します。
私が運用している、auカブコム証券のFX口座から現金をすべて抜いてみた画像がこちら。
代用中の300万円程度の株式のみでFXの含み損約80万円に耐えていることになります。
売却予定のない積み立て、長期保有用の株や、塩漬け株があるなら使わない手はありません。他社から株を移管してくれば代用FXが始められます。
1000通貨からのFX運用ならauカブコムFX 、10000通貨からのFX自動売買ならマネーパートナーズ 、スワップ有利なのがDMM FX です。
はじめての代用FX・どんな銘柄を買う?
代用FXには、長期保有予定の優待株や塩漬け株をFXの証拠金として使えるメリットもありますが、そもそも株式を持っていない人にはそれがありません。
いまから代用FXを始めたい!でも何を買ったらいいか分からない!
という方も多いと思います。
個別株は倒産リスクや代用除外リスクがあり、少額から始めるには適当ではないと考えます。
そこで、個人的に相性がいいと考えるのが
iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF (1655)です。
米国の証券取引所に上場された代表的な500銘柄に分散投資をしてくれる、ETF(上場投資信託)です。通常の日本国内の株式と同様に、日本時間で取引できます。
10口約6,000円(記事作成時)から購入でき、auカブコムなら売買手数料無料のフリーETF。分配金(配当金)も支払われます。
はじめての代用FXに不安な場合は、最初は現金でFX運用をして、FX口座内の現金を少しずつ(1655)に変えて代用していき、代用FXに慣れるといいでしょう。
マネパは株の購入手数料が0円になりました。売却には手数料がかかります。
代用FX向きの運用法とは
代用FXに最適な通貨ペアは、ポジションの数を抑えての高金利通貨スワップ投資が考えられますが、高金利通貨は株価が大きく下落したときに一緒に下落していることも多く、その場合は株とFXのダブルショックで維持率が急落します。
私は、代用FXの運用法にリピート系売買の手法を取り入れ、リピート益で株を買う方針にしました。
リピート系は、一定額の含み損を抱えながら利益を上げていく手法です。
運用中の含み損は代用株に受け持ってもらい、リピート益によって新たに株を追加購入し、購入した株は代用口座に入れる。
追加購入した株の評価額も上がれば一石二鳥ですね。
たとえば、「代用株50万円につき、プラススワップのつくドル円買い1万通貨まで持ってもいい、それ以上はトラップは敷かない」などのルールを決めて運用する方法もありますね。
1000通貨からの代用FXならカブコム!
裏技(レベル1)株50%と現金50%で安定運用
実戦用の、生き残りをかけた裏技・レベル1は、
代用FXの資金の半分を株で、半分を現金で運用することです。
代用した株は、前日の終値の70%がFXの証拠金として認められます。200万円分の株なら140万円分のFX証拠金。
けっこう減るな!
万が一、株価が数日で50%減になるような大暴落があれば、140万円の半分、70万円にまで証拠金は激減し、そこにユーロ高が加わればロスカットもあり得ます。
そこで、証拠金の全てを株で賄うわけではなく、株を50%、現金を50%の状態でFX口座に入れておきます。
比較画像は下です。
仮に200万円の代用株が50%減になるとFX証拠金は70万円まで価値を減らしますが、100万円を現金のままFX口座に入れておけば株価が50%減でも証拠金は135万円分残ります。
200万円分の株を代用した場合の下落前の証拠金と同じくらい証拠金が残るため、株価暴落時の維持率の急低下を防げます。
裏技(レベル2)リピート益で株を買う!
参考までに、私のコロナショック中のユーロ円売りのリピート益。
コロナショック中は代用株の評価額も激減しましたが、ユーロ売りポジションは次々決済されて消滅し、維持率は余裕。
そして、株価の下落中にリピート益が多く出たため、その資金で安くなった株を買い足せました。
代用FXに円売りのFXを組み合わせた効果だね。金があるときに株が安い!
こうすれば、「長期運用でリピート売買も黒字、リピート益で購入した株も黒字」も狙えます。
裏技!
リピート益を使って新たなFXポジションを増やさなくても、ETFの購入を行うことで、値上がり益・配当を得ながらの複利運用が可能になり、さらにそのETFを代用することで証拠金がもっと厚くなります。
ETFに追証はないからね!利益はどんどん再投資!
裏技(レベル3)証拠金維持率の自己回復法
50%運用で代用FXの防御力、リピート益で株を買うことで攻撃力を高めました。
次に紹介するのは追加入金不要の、ピンチの時のFX証拠金維持率の自己回復法。
攻撃・防御・回復まであるのか!
もちろん、十分に余裕のあるFX運用計画を立てるのが第一ですが、想定外の値動きも十分にあり得ます。そんな時に役に立つ方法です。
繰り返しますが、代用した株は前日の終値の70%がFX証拠金として認められます。
100万円分の株は70万円分の証拠金。逆に考えると、代用株を一旦売却・現金化してFX口座に戻せば、維持率は30万円回復するということです。
もう一度先ほどの『FX口座から現金を抜いた図』で説明します。
私の口座の約300万円の代用有価証券評価額は、440万円分のETFや優待株を代用したものです。
つまり、ETF・優待株を売却して現金に戻せば、追加入金に頼らなくても最大で140万円の証拠金を確保できるということ。
リピート益で購入したETFの利確タイミングと捉えてもいいし、塩漬け株とオサラバ、損出しタイミングと考えてもいい。
例えば、いまの私は14万通貨のユーロ円売りポジションを持っているので、140万円確保でロスカットまでの距離が約10円伸びます。
10円はデカイ!
運用額が小さい頃の○○ショックは追加入金で何とか耐えられるかもしれませんが、運用資産が大きくなってからのショックは、必要な追加資金も大きくなってしまう危険があります。
追加入金なしで、運用資産に応じた回復率を持つ維持率回復法は、運用金額が大きくなるほど有効な対処法になっていくと思います。覚えておいて損はありません。
注意しておきたいのが、株を売却したお金は2営業日後にならないとFX口座に移せない点(カブコムの場合)。
100株で数十万円するような個別株でこれを行うと、ピンチ時のFX証拠金に2日間大きな穴が開きます。これは危険。
そんな理由もあり、先程は1口単位で購入が可能なETF(1655)を推しました。少しずつ代用から外し、『1日に○○円ずつ現金化』していけば、証拠金に大きな穴をあけずに、徐々に維持率を回復できるからです。
マジでピンチの時は、両建てで含み損を固定⇒そのスキに株をちょっと取り出して現金化⇒FX口座に戻す。の繰り返しでしのぐこともできます。(オススメするわけではありません)
あくまでも代用後の証拠金評価額を基準に、余裕のあるトラップの予算を組んで、想定以上のピンチにはETF・株の売却で証拠金確保。為替の動きが激しすぎる時には両建ても視野。といった感じでしょうか。
代用FX裏技まとめ
・代用FXはカブコムかマネパ・DMM
・初めての人は再投資がしやすいETF(1655)
・株50%現金50%で暴落耐性
・リピート益の再投資はETF購入で複利運用
・ピンチの時は株を売却して維持率回復
以上です。
「株をFXの証拠金に使える」以外の情報が、各証券会社からもネット上でもあまり見られないため、『裏技』として記事にまとめました。
年間50万円程度しか投資に資金を回せない私ですが、その予算内で代用FXを実行。リピート益で利益を使って株やETFを追加購入することで、保有株の額はそれ以上に伸びています。
私が代用FXを使う本目的は、売るつもりのない株にリピート売買の含み損を押し付けて、かつリピート益で株を先行購入。積み立てと合わせて株の複利効果を急加速することです。リピート売買はいずれプラスになる。(個人の感想です)
これから代用FXに挑戦する方にとっては難解な記事だと思いますが、困ったときにはこの記事に戻ってきてほしいと思います。
ご意見・ご感想お待ちしております!
特定の投資手法を推奨するものではありません。
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