こちらは、前回の記事「含み損の急拡大を防ぐ唯一の方法」の記事の続きとなります。

引き続き、バックテストツールはアビさんの無料ツールを使用させてもらっています。

ツールなしでは記事が書けないんですが。
トラップ幅を広げつつ、細かい利確も楽しむにはどのようなトラップを仕掛けたらいいか。という考察になります。
結論は、ハーフ&ハーフのレンジの中央から離れるほどトラップ・利確幅を広げること。具体的な効果と理由を説明します。
個人の感想です。
前回の記事のまとめ
前回の記事では、トラリピ・手動トラリピのトラップ幅は広いほうが含み損が少なく、必要資金に対する利回りも高いというバックテストの結果を紹介しました。
20円のレンジでトラップを敷く場合、1円幅で20本のトラップを仕掛ける場合と、5円幅で4本のトラップを敷く場合、5円幅のほうが必要証拠金とレンジの端で発生する含み損が4分の1(約75%減)になっているのにも関わらず、利確はそれほど減らない(約70%減)で済んでいるというものでした。
少し複雑ですが、損切りせずに10年間確定利益に対する税金を払い続けたうえ、運悪くレンジの端の一番含み損が大きい所でトラリピを終了してしまった場合の、税引き後の利益率が一番高いのは4円幅でした。
(1円⇒10% 2円⇒33% 4円⇒38% 5円⇒36%)およその値

特に運用資金が少ない場合は、トラップ幅の拡大は必須だと思われます。税払いにもお金を用意する必要があるし。
ただ、この「5円のトラップ・利確幅」に関しては、問題点がいくつかあります。ひとつずつ解決していきましょう。
5円トラップの問題点
その1 トラップが広い

5円トラップ広すぎwwwwwww
確かに運用中は楽しくなさそうです。
しかし、トラリピで大切なのは含み損の急拡大を抑えること。無駄なポジションを持たないことでリスクは減り、広いトラップ幅ならスプレッドの影響は軽微。あまりポジションを持たないからマイナススワップも少なめです。

短期売買向けのキャンペーンは無視で!
下の過去5年のバックテスト結果も見てみましょう。1000通貨を等間隔に並べたものです。
「トラップ幅が狭いほうが利確が多い」のは事実ですが、トラップを10倍仕掛けても利確は4倍程度。本数が多い分証拠金と含み損も大きいから、万が一レンジの端でトラリピが終了した場合、0.1円幅は5年で赤字もあり得る。

上の表はスプレッドは考慮してないから、0.1円幅の成績はもっと悪い。
利確幅を狭くしたトラップをたくさん立てても無駄という事です。1円幅で様々な通貨ペアを持っていたほうがマシです。

1円幅なら、全ての通貨ペアがレンジ端でも助かる可能性があるね。
1円から0.4円あたりではあまり差が無いように見えるかもしれませんが、ポジションを取るための証拠金の差があり、運用中の維持率が高いのは1円幅です。
では、利確幅の広いトラップを密に建てたらどうなるのか。確認してみましょう。

0.1円毎に、1円幅のトラップをたくさん敷くとか!これなら!
まず、上から1段目と2段目を比較。
10000通貨1円幅の利確を1000通貨1円幅に分けて10か所とか、こまかくトラップを分割しても利益はそんなに変わらない。
次に2段目以降、最適な利確幅は無いかと探してみても、利確幅を狭めるほどに効率が悪い!(バックテストによれば)

いわゆる「決済ラッシュ」すら幻だという事・・・!

新規⇒決済の繰り返しがFX業者の利益だから、この辺の情報は出にくいよね。気を付けよう。
その2 総推移の減少

各通貨の年間の値動きは徐々に減少してる。5円幅のトラップはそのうち効果が無くなるのでは?
これは事実。気分の問題ではないので対処が必要です。下のグラフを見ましょう。
トラリピ公式ホームページより引用
トラリピ公式の総推移とは、4時間ごとの為替の値動きを足し算したもので、この値が大きく、かつ年間の最高値と最安値の差が小さいほどトラリピ向きとされています。
為替の値動きは明らかに毎年おとなしくなってきていますが、これに対し、公式ページでは利確幅を狭くする事を提案しています。

ここはFXおススメブログではないから、公式と逆の主張もアリです。
デメリットを理解した上で使う自動売買なら問題ありません。
バックテストにより、利確幅を狭くしてトラップを密にするのはイマイチなことが分かりました。しかし、総推移の減少で5円のリピートは決まりにくくなる可能性がある。
この、「利確幅は広いほうがいいのに相場が動かない」というトラリピ派の大ピンチに対処しようと思います。
レンジに傾斜をかけてみる
以上の問題点の解決策として、
ハーフ&ハーフで、現在の為替レートを中央として、中央から外れるほどトラップ幅と利確幅を広げるトラップを考えます。

分かりません。
ハーフ&ハーフの中央値から下、買いトラップの部分の図を使って説明します。矢印の始点がIN・矢印の先がOUTの場所です。

利点を説明します。
① 現在レート付近で細かく動いた場合は1円幅のトラリピで対処し、現在レートを大きく外れるほど広いトラップで対処する。
② 中央値から±15円を5万通貨でカバーできるうえ、利確幅を広げることによる不利は認められない。(バックテストでは)
③ 10000通貨ごとに注文がまとまっているからマネーパートナーズで代用有価証券FXが使え、連続予約注文で自動化もできる。株・ETFの配当でマイナススワップも相殺。
(トラップ幅が広いため、カブコムで手動トラリピも可)
④ 上下±15円での最大証拠金+評価損が予測済みのため、当初予算約70万円を超えた分のリピート益はマネパnanoに移動し、その時点での現在レートを中央とした小サイズ(100~1000通貨)の上記と同じトラップが張れる。利益の再投資が分かりやすい。

10000通貨のトラップ1セットに約70万だから、7千円の利確があれば100通貨のトラップが1セット、利確幅4万円の所のリピートが決まれば500通貨のトラップが1セット張れるね。
⑤ 追加トラップをメインと別通貨にすることで、単独の通貨が一方的な値動きをした時のリスク分散、また、様々なタイミング・レートで1円幅~のトラップが存在することになり、「5円幅だから決済が無くてつまらない状態」も時間・もしくは少量の追加入金で解決できる。
図は追加トラップの1円幅の部分しか載せていませんが、赤いメインポジションと同じく上下に利確幅を広げたトラップがくっつきます。

例えば、10000通貨のトラップ(赤い矢印)だけだと、④・⑤のトラップのあたりをレートが上下しても決済が無くてヒマだけど、ここまでのリピート益を使って④・⑤付近・または別通貨の追加トラップを仕掛けはじめるなら決済は途切れないね。
以上が、
保有ポジションを減らし、
代用有価証券FXで証拠金を節約したうえ、
トラップ幅を広げて利回りを上げ、
リピート益の再投資により細かい利確も楽しめて、
連続予約で自動化できる注文法の提案となります。

上下に5本ずつのトラップで済んでるのもいいね!
マネパの代用FXにこだわらなければ、メイントラップを1000通貨からにしてより安全にしたり、証券会社をまたいでいても問題ありません。

便利!
特定の投資法を推奨するものではありません。
おまけ

ポジションを持った瞬間15円下がったら一気に損するよな!
・・・いやがらせのような指摘ですが、これも事実です。
次回の記事では、今回の方法に「レートの急変による含み損の急拡大」に耐性を付けたトラップの紹介です。こちらもよろしくお願いします。

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